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“介護のしごと魅力伝道師”とは?「いつも “笑顔” を大切に」介護福祉士のやりがいを発信《長崎》

2024年4月6日 7:00
 “介護のしごと魅力伝道師”とは?「いつも “笑顔” を大切に」介護福祉士のやりがいを発信《長崎》

慢性的な人材不足が続く介護の現場。

働く環境が厳しい中でも、介護の仕事に携わる人を増やしたいと “伝道師”として魅力を発信する男性がいます。

▼介護の仕事は “大変” だけじゃない「魅力」だっていっぱいある

壱岐市の施設で、介護福祉士として働く草野 仁さん。

(介護福祉士 草野 仁さん)
「おなかの調子はどうですか?」
 
モットーは、いつも “笑顔” を大切に。

(介護福祉士 草野 仁さん)
「一番は、“目を見て”コミュニケー ションをとるところ。自分の気持ちだったり、表情を相手に伝えるところを大事にしている」

島の若手介護職員のチームリーダーも務めています。

(介護福祉士 草野 仁さん)
「僕たちは、壱岐の島の中でチームとして活動していて」

さらに・・・

(介護福祉士 草野 仁さん)
「介護のあったかさを伝える魅力伝道師だと思っている」

介護の魅力伝える、県の“伝道師”としても、日々 奮闘しています。

▼介護は一方通行ではなく「感じること」「伝えること」が大事

雄大な自然が広がる“壱岐市”。

島で暮らす約2万4000人のうち、4割ほどは65歳以上の高齢者です。

草野さんが働いているのは、介護老人保健施設。

(介護福祉士 草野 仁さん)
「(飲み物を用意するときは)、熱すぎず、冷たすぎず。温度管理が大事」

(介護福祉士 草野 仁さん)
「クッション替えます。起きますよ、大丈夫ですか」

入所する人たちが安心して過ごせるよう、毎日 サポート。

(介護福祉士 草野 仁さん)
「手を動かすのと、枠内を塗ろうとするような脳のトレーニングだったり」

レクリエーションも提案し、そばで見守ります。

職員は約50人で、支援する高齢者は80人。

草野さんは主任として、3階フロアをまとめています。

壱岐市出身で地元の高校を卒業後、福岡の福祉の専門学校で学び、介護施設に就職。

その後、28歳でUターンしました。

(介護福祉士 草野 仁さん)
「(壱岐に帰ったのは)落ち着けるというのが一番。ずっと島の中にいたらそれが普通だったので、(福岡に出たのは)違う刺激を求めるというのはある。出てみたら島での静かな環境が僕には合っていた」

高齢化や慢性的な人材不足で、厳しい状況の介護現場。

特に島は深刻です。

▼島に迫る危機「人口減少」「高齢化率上昇」

草野さんは、去年同じ法人が運営するグループホームにいましたが、夜勤を担当する職員が足らず、閉鎖になったといいます。

(介護福祉士 草野 仁さん)
「最後の入居者がバスに乗って次の施設に行くのをここで見送った後は、不思議な気持ち。まだまだここで働いていきたかった思いと、次のところで、また頑張らなければならない思い」

“命”も預かる介護現場は「責任感と緊張感」が求められ、きついイメージがありますが、“感謝があふれている場所” だと話します。

(介護福祉士 草野 仁さん)
「(椅子を) 押します」

(入所者Aさん)
「(ありがとう、ありがとう」

(入所者Bさん)
「感謝、感激・・・雨、あられ」

(入所者Cさん)
「思いやりがある」

(介護福祉士 草野 仁さん)
「うれしい、涙が出る」

草野さんの声掛けで、笑顔がうまれます。

▼県が任命「介護のしごと魅力伝道師」として、育成活動も

(介護福祉士 草野 仁さん)
「“介護って大変” とか、“きついでしょ”とよく言われるんですけど、頑張っている若い人たちの活動をもっと発信して、今まで見えなかった部分をもっとみんなに見てもらいながら、イメージを少しずつ変えたい」

“介護を身近に感じてもらいたい”

3年前、その魅力ややりがいを伝える県の “魅力伝道師”に。

小学校で出前講座を行ったり、YouTubeで発信しています。

(介護福祉士 草野 仁さん)
「どこまで介護について学習しているか。やっぱり話し方を変えないと伝わるものも伝わらない」

島の若手介護福祉士の仲間で「チーム・壱岐のケアニン」も結成。

島の現状を共有し、魅力発信に取り組んでいます。

(介護福祉士Aさん)
「就職につなげたい思いがあるので、施設に実際に来てもらうとか、体験してもらう、ふれあってもらうことができたらいい」

(介護福祉士Bさん)
「来年はもっとYouTubeでの活動を増やしてもいいのでは」

さらに、最近は“伝道師の育成”にも携わっています。

壱岐市では、島の若い世代が、進学や就職などで「島外」に流失。

その一方で、約370人が施設への入所を待っていると試算されています。

人材不足の解消につなげようと、2017年、介護福祉士を養成する専門学校が島に開校しました。

▼介護の「あったかさ」 未来につなげるために

草野さんの施設では、現場実習の生徒を受け入れています。

(介護福祉士 草野 仁さん)
「本来ならノックして “失礼します” (と言ってはいること)が必要。人の部屋やけんね」

ベッドから体を抱き上げで椅子に移動する方法や注意点など、指導員として知識や技術を伝えます。

草野さんの思い “あったかい介護のこころ”は、今後、後輩たちに受け継いでいきます。

(介護福祉士 草野 仁さん)
「待ってますという感じ。しっかり勉強して介護福祉士になってもらい、一緒に働きたい。一緒に壱岐を盛り上げていけたらいいなと思ってます」

介護福祉士=ケアニンとしての誇りをもって。

介護の未来のために、島から盛り上げます。

    長崎国際テレビのニュース