“声なき証言” で伝える長崎原爆「被爆者なき時代」に向け 若者が考える新たな継承のカタチ《長崎》
長崎市で開かれている原爆写真展の取り組みです。
被爆体験のない中学生や高校生がガイドに。
新たな「継承のカタチ」です。
▼被爆の実相 伝えるガイドに「今がどれだけ幸せなのかに 気付いてほしくて」
先月22日。
長崎市の追悼平和祈念館で原爆写真展が始まりました。
(近藤 寛菜さん)
「見たことある?」
写真の解説をする学生服姿の2人。
純心中学校2年の美貴 優里さん13歳と、近藤 寛菜さん14歳です。
(近藤 寛菜さん)
「原爆を実際に体験していないからこそ、一番何で実際にあったことを伝えていけるか」
(美貴 優里さん)
「あまり重く感じられないように。今の幸せ、今がどれだけ幸せなのかに気付いてほしくて」
原爆について紹介する写真展で、初めてボランティアガイドを担当。
被爆の実相を未来に繋ぐため、若い世代の新たな取り組みです。
▼被爆者なき時代 見据え「写真の “読み方” を若い人たちに伝えたい」
(草野 優介さん)
「これは原爆写真なんですが、これを見て、ここで撮った写真だと分かる人はいますか?。写真がいつ撮られたか、どこで撮られたかを理解しながら正しく伝えていく」
ガイドには美貴さんや近藤さんを含め、小中学生や高校生47人が応募し、事前研修が開かれました。
企画したのは、長崎市の草野 優介さん36歳。
被爆後の長崎の写真を収集し、検証する長崎平和推進協会 写真資料調査部会のメンバーです。
調査部会は、去年亡くなった被爆者の深堀 好敏さんらが1979年に結成した「長崎の被爆写真調査会」の活動が原点です。
10年ほど前から参加する草野さんは、被爆3世で写真館を経営しています。
伝えたいのは「写真の力」です。
(草野 優介さん)
「写真を深堀さんたちが集めだしたのも、自分たちの体験を言葉で語っても伝えきれないという危機感から。当時を語る人がいなくなる『被爆者なき時代』が迫ってくる。写真の “読み方” をもっと若い人たちに伝えていきたい」