【解説】県内で想定される震度や被害は?『南海トラフ巨大地震』13年ぶり見直しの新想定内容《長崎》
今後30年以内に80%程度の確率で起きると言われている『南海トラフ巨大地震』。
地震の規模を示すマグニチュードは最大9クラス、最大震度は7。
津波は、最大で30メートルを超えるとされています。
13年ぶりに見直した新たな想定では、死者が最大で約29万8000人と前回の被害想定から3万4000人減。
全壊する建物は最大で「235万棟」と、約15万棟減っています。
その理由としては、沿岸部の「津波避難タワー」といった施設や堤防の整備や、住民の意識の向上、そして建物の耐震化が進むなど前回の検討以降、防災対策に一定程度の進捗があったことが関係しています。
一方で、今回初めて盛り込まれたのが「災害関連死」の人数です。
これは能登半島地震や熊本地震において、避難生活の過程で死亡するケースが多くなっているためで「南海トラフ地震」では、最大で2万6000人から5万2000人にのぼると推計しています。
続いて、長崎県内で想定される震度や被害について確認します。
最大震度は、南島原市が前回の想定と変わらず「5強」。
前回「5強」だった諫早市と雲仙市は「5弱」に。
「5弱」だった西海市は「4」となっています。
また 長崎市は「5弱」、佐世保市は「4」となっています。
今回の検討で大きく増えたのが、津波による浸水面積で(2メートル以上)、県内では最大で250ヘクタールに拡大しました。(前回:180ヘクタール)。
これは、精度の高い最新の地形データを反映したためで、津波の高さは前回と変わらず最大4メートルですが、死者は大幅に増えて最大で500人(前回80人)。
負傷者は200人(前回40人)、救助が必要になる人は1100人(前回400人)と推計。
避難者数も、地震発生から1日後で最大2万9000人などとされ、津波による建物被害は全壊が約700棟、半壊が約6200棟にのぼります。