被爆体験者訴訟が結審 判決は9月9日 原告団長「国側の反論は理解できない」《長崎》
国が定める被爆地域の外で原爆にあった被爆体験者44人が長崎市と県に対し被爆者健康手帳を求めている裁判がきのう結審しました。
判決は9月9日に言い渡されます。
訴えを起こしているのは長崎の爆心地からおよそ7キロから12キロで原爆に遭った被爆体験者44人です。
放射性降下物で汚染された食物を食べたり水を飲んだりして健康被害を受けたとして、長崎市と県に対し、被爆者健康手帳を交付するよう求めています。
2021年7月、広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を体験した84人が起こしていた裁判では、広島高裁が全員を被爆者と認める判決を出しています。
原告団長の岩永 千代子さんは「広島と長崎を分断する状況になっている。私たちも内部被ばくによる健康被害の可能性があることは疑いようのない事実」と意見陳述しました。
一方、広島高裁の判決について、国側は当時、上告しませんでしたが、きのうの弁論では、「法解釈に誤りがあった」と主張。
原告の被爆体験者らが「『身体に原爆の放射能の影響を受けるような事情のもとにあった者』とは言えない」などと述べました。
原告団長 岩永千代子さん(88)
「国側の反論はまったく私の頭では理解できない。真実は確実にある。私たちの希望はそこにある」
判決は9月9日に言い渡されます。