完成時期は未定状態の新たな文化芸術ホール 「だれが責任をとるのか」委員から厳しい意見《長崎》
長崎市は12日、検討を進める新たな文化芸術ホールについて、予定通りの完成は「難しい」と市議会の委員会で報告しました。
市は民間資金などの活用を含め、整備を検討する方針ですが、委員からは厳しい意見が相次ぎました。
旧市庁舎跡地での建設が決まった新たな文化芸術ホール。
(長崎市 宮﨑 忠彦市民生活部長)
「(令和)8年度中の建設工事の完了という当初の時期は難しい」
12日の市議会総務委員会で、市側はこれまで目指してきた2026年度の完成は「難しい」と答弁しました。
ホールの建設を巡っては、去年4月、鈴木市長が「跡地以外を含め再検討する」との考えを表明。
有識者らの審議会が、半年あまり協議を重ねたうえで、先月、従来通り「旧市庁舎跡地が最適」との案を了承していました。
12日の委員会で市側は、議会への説明不足があったことや検討に時間がかかり、文化団体や市民を待たせているなどとして陳謝しました。
また整備費用は、資材や人件費の高騰などで当初の2倍以上が見込まれていて、建設や維持のコスト削減を図るため、他都市での「官民連携の事例」を説明。
民間と意見交換して事業化の可能性を探る「サウンディング調査」を始めたいとしましたが、委員からは厳しい意見が相次ぎました。
(五輪 清隆市議)
「(調査から)建設まで考えたら、早くても10年ぐらいかかる。今現在より相当な金額になってしまって、民間がそれを受けてくれるのか。もし受けてくれなければ、また最初からスタートになる」
(岩永 敏博市議)
「県庁から旧市役所通り、空き店舗、テナント、売りビルも出ている。期間が延びれば延びるほど、都心の空洞化が進んでいく。これは誰が責任をとるのか」
(池田 章子市議)
「冗談でしょうというような、複合施設の例を挙げて今から(検討)すると。いつになったらできるのか分からない。民間の力を借りなければいけないのはわかるが、もう少し地に足のついた方針を皆さん自身がしてもらわないと、市民も本当に待ちくたびれている」
市は「現時点での具体的な完成時期や費用は答えられない」としています。