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「働きながら旅したい人」と「人手不足で困る地域の宿泊施設」をつなぐ “おてつたび” に密着《長崎》

2024年6月13日 6:45
「働きながら旅したい人」と「人手不足で困る地域の宿泊施設」をつなぐ “おてつたび” に密着《長崎》

ホテルや旅館の業務を手伝いながら、各地を旅するマッチングサービス「おてつたび」をご存じでしょうか。

この仕組みを使って、関西から訪れている女性に密着しました。

(ホテル側)
「きょうからおてつたびさんで、手伝っていただきます。よろしくお願いします」

長崎市立山の「ホテル長崎」。

ゴールデンウィーク中の5月3日、初めて「おたつたび」さんがやってきました。

(楫田ふみかさん)
「よろしくお願いします」

兵庫県明石市の 楫田ふみかさん 54歳。

2週間、長崎で “おてつだい” と “旅” を楽しみます。

(楫田ふみかさん)
「第2の人生のスタートをおてつたびで。ただ自分で旅行するのもいいけど、仕事しながらってまたちょっと違う見られない面も見れるかなと思ってチャレンジした。いろんなことを知りたいし元気をもらいたい」

おてつたびは「働きながら旅をしたい人」と「人手不足で困っている地域の宿泊施設」をつなぐ、人材マッチングサービスです。

旅行者は短期アルバイトのおてつだいで報酬と宿泊場所の提供を受け、旅費の削減ができます。

一方、事業者は人手を確保しながら地域の魅力を伝えることができます。

全国で5万4000人以上の旅行者と、約1300の事業者が登録。

ホテル長崎は、忙しくなるゴールデンウィークに合わせ、初めておてつたびを導入しました。

(ホテル長崎 野田博之総支配人)
「働いてもらうが、ある意味 “お客様” でもあるので、楽しんで、長崎良かったよ、ホテル長崎よかったよという印象で帰ってもらいたい」

ホテル長崎で2週間働く楫田さんは、豪華メニューなど毎日3食付き。

宿泊客と同じホテルの部屋に泊まります。

初日はメーンの仕事となる配膳から。

(ホテル従業員)
「次はコンロ。大棚札の場所ぐらいに置く」

教わりながらテーブルに食器や鍋をセットするなど、細かい位置や角度などをしっかりと覚えていきます。

楫田さんは 小学校の教諭でした。32年間務め、今年3月 退職。

違う世界を見たいと、おてつたびに挑戦しました。

新潟に続いて 今回が2回目で、長崎に来るのは中学校の修学旅行以来、約40年ぶりです。

(楫田ふみかさん)
「お仕事でパワーをもらったり、できることを増やしたり、自信を付けたりとかの面と観光。まだ行けていないところがたくさんあるので、いろいろゆったりと巡りたい」

ホテル長崎のおてつたびスタッフは、楫田さんを含めて3人。

この日、3人の休みが初めて重なり、一緒にお出かけです。

年齢も出身も違いますが、すぐに打ち解けたそうです。

(楫田ふみかさん)
「(道路の真ん中に木がすっとあって)すごい。ここは通ったことがなかった。びっくりした。初めて見た」

まずは長崎歴史文化博物館へ。

教諭時代、歴史も教えていた楫田さんは興味津々。

(楫田ふみかさん)
「4年生とかで長崎くんちが出てくる。またこれを見て詳しくなりたい」

坂本龍馬が大好きで、写真を撮ることができるコーナーで盛り上がります。

(楫田ふみかさん)
「せっかくやから龍馬とともに。あかん、もっと寄ったら良かった。坂本龍馬の重要なところ、手が隠れてしまってる」

(記者)
「龍馬が好きなんですね」

(楫田ふみかさん)
「龍馬推しです、うちの家族はかなり。この期間に絶対亀山社中も行ってみようと思っていたので、行ってきた」

日が暮れると、稲佐山公園の展望台へ。

(3人)
「ほらほらほら、すごい!」

今回の旅で一番楽しみにしていた、稲佐山からの夜景を満喫しました。

(楫田ふみかさん)
「いいところがいっぱいあって素敵ですね。特に夜景はもともと大好き」

おてつたび開始から1週間。

ゴールデンウイークが終わり、ホテル長崎は多くの修学旅行生を迎えていました。

(総支配人)
「朝のドレッシングは白だもんね。お願いします」

(楫田ふみかさん)
「はい、分かりました」

午前6時から、約200人の生徒の朝食準備です。

(楫田ふみかさん)
「数を覚えてきました。だんだんやっているうちに」

楫田さんもすっかり慣れた様子。

(楫田ふみかさん)
「修学旅行は貴重なものなので、少しでも思い出に残るような関わりができたらと思って。子どもたちがかわいいので、ついつい笑みがこぼれてしまう」

第2の人生につなげたい。

そのスタートに、と選んだ長崎の “おてつたび” は、残り5日。

楫田さんの笑顔にホテル長崎の支配人は。

(ホテル長崎 野田博之総支配人)
「旅行も楽しみ、仕事も楽しみということで、本来の目的は達成できた。その場を提供できたと感じる。今後もどんどんホテル長崎におてつたびとしてきていただけたら」

そして 楫田さんは。

(楫田ふみかさん)
「長崎の人は優しい関わりをしてくれる。これから自分は、いろんな出会いがあると思う。その時に声掛けだったりとかをいかしていきたい」

長崎でのたくさんの出会いから、第2の人生を思い描き始めています。

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