心身への負担だけでなく人間関係に悪影響も「睡眠不足・睡眠不調」を考える《長崎》
特集は “睡眠” について考えます。青木さん、朝はすっきり起きられていますか。
【青木雄大アナウンサー】
「夜はぐっすりすぐに寝つけるんですけど、朝はなかなかすっきり起きられない感じがします」
今の時期は寒いですから、布団からなかなか出られないという人も多いと思うんですが、正月休み明けの時期に、“睡眠不足”を感じる人が多いといいます。
製薬大手「大正製薬」が行った調査では、“正月疲れ”を感じている人は、6割以上にのぼり、その半数近くの人が “睡眠の不調” が理由と答えています。
大学生に質問してみました。
『正月明けの生活リズム、取り戻せていますか?』
「休みの時は長く起きてしまったり。休み明けはちょっときつかった」
「(朝と夜)が逆転している」
「(周りの友人は)休み明けは休みがちだと思う」
「生活リズムが狂いがちだったので今頑張って整えている」
快適な睡眠には、どんなことが大切なんでしょうか。
長崎大学病院総合診療科におととし開設された「睡眠・覚醒障害外来」。
近藤英明 助教によりますと、長期の休暇明けは睡眠について “ある相談” が増えると言います。
(長崎大学病院 睡眠・覚醒障害外来 近藤英明 助教)
「連休明け長期休暇明けでよくあるのが、しばらくしてから体調崩してなかなかすっきり過ごせない。朝起きれなかったりとか。
子どもだったら学校に行けなくなったりとか、朝遅刻するとか。そういう悩みは出やすい時期」
(長崎大学病院 睡眠・覚醒障害外来 近藤英明 助教)
「特に夜型傾向の人たちがそうなりやすい。いわゆる “社会的時差ぼけ状態” となっている」
睡眠に影響を及ぼすと指摘されるのが、寝る前の “スマートフォン” の使用です。
(長崎大学病院 睡眠・覚醒障害外来 近藤英明 助教)
「特に青い光が目に入ると、寝る時に出てくるメラトニンというホルモンが出なくなる。メラトニンは寝付くにもリズムを作るにも、非常に重要なホルモン。そうすると寝つきが悪くなる」
睡眠不足が続くと心身への負担だけでなく、社会生活のあらゆる場面に悪影響を及ぼす可能性があると警鐘をならします。
(長崎大学病院 睡眠・覚醒障害外来 近藤英明 助教)
「いわゆる睡眠負債、借金ということ。
助け合いの行動が減ってしまったり、感謝を伝える言葉が少なくなりがちだったり、“人間関係にかなり影響する” と思う」
睡眠不足とならないため大切なことを近藤助教に聞きました。
朝起きた時のすっきりした感覚「睡眠休養感」というそうですが、これがあるかどうか。その上で睡眠が足りないなと思う時は、まずは十分に眠ることが重要です。
▽普段より1時間早くベッドや布団に入る
▽日中に20分ほどの「仮眠」をとる
▽休日に多めに睡眠をとる「寝だめ」
また まとまった休みがある時は、自分にとって適切な睡眠時間がどれくらいかを知る いい機会だそうです。
目覚まし時計をかけずに寝て、これを「5日から1週間」続けるとその目安がわかるそうです。
いい睡眠をとれているかどうかは、健康や心の調子だけでなく仕事のパフォーマンスにも影響します。
ある企業の取り組みを取材しました。
大村市に本社を置く「幸運トラック」では、“働きたか改革” の一環で、3年前に会社の敷地にトレーラーハウス型の「仮眠休憩室」を導入しました。
その中は…
(幸運トラック 営業統括本部 松本敬太 副本部長)
「防音も断熱も入っているのでいい環境で仮眠を取ることができる」
エアコンのほか、6つある部屋のうち1つにはシャワーや洗濯機なども。
快適な睡眠をとれる環境を整えていて、利用するドライバーも増えてきたといいます。
(幸運トラック 本社営業所 尾長谷 尚也さん)
「トラックで寝るよりよく眠れる。すごく大きく変わったエアコンがついていて、騒音が少ない個室で眠れるのもパフォーマンスにつながっている」
快適な睡眠環境は、仕事の活力にもつながっているようです。
(幸運トラック 営業統括本部 松本敬太 副本部長)
「ドライバーが運転中に疲労を感じた際に、安全な場所で休息をとることを可能とし事故防止につながる。これからも安全第一健康第一でドライバーの職場環境整えていきたい」
“睡眠の質” を高めるため、あるものにこだわる人も。
(20代)
「寝れたり寝れなかったり。“オーダー枕” を作ったりした」
(60代)
「“マットレス” は買った。腰の痛さはない」
(60代)
「いろいろ枕は使った。どんな良い枕も、なんか合わなかった。今 “バスタオル” で調整している」
それは、自分にあう『寝具』です。
(スリープアドバイザー 古賀 潔さん)
「空間が空いている。これじゃだめ。(肩に枕が触れる)感じで枕の中心に頭をおさめてください」
(客)
「気持ちいです」
島原市の老舗寝具店「古賀ふとん店」。
この日は長崎市から訪れた女性2人に、それぞれにあった枕を作りました。
(長崎市から)
「姉は特に肩こりがひどくて、何回も変えているみたい。もうばっちり」
(長崎市から)
「(睡眠の質は)重要。あしたのエネルギーのために頑張ろう(となれる)」
この店では、大手寝具メーカーの「nishikawa」が提供するサービス「ねむりの相談所」を県内で初めて、去年11月にスタートしたそうです。
(古賀ふとん店 古賀 潔代表)
「皆さん睡眠に対して満足していない方が多い。ハード面のふとんの販売だけじゃなく、ソフト面のお客さんの悩みに寄り添ってアドバイスができるかなと思う」
『スリープアドバイザー』という メーカー主導の資格を持つ古賀 潔さんが “快適な睡眠” につながる生活習慣などのアドバイスを行っています。
(古賀ふとん店 古賀 潔代表)
「私のデータ、10日間ほど活動量計をここにつける。日中の活動がこの日は “ 2”、ということは動いていない。バス停1個分歩くとかもいいし、できれば湯船に浸かってリラックスしてもらう。それがいい睡眠につながる」
“枕の選び方” のポイントを聞きました。
(古賀ふとん店 古賀 潔代表)
「(枕が)合っているかいないかの1つの目安は “枕が低いと肩がつぶれる” こと。今の枕でそうなるようなら、下にタオルかバスタオルを敷いて高さを上げて使うのもありです」
【NIB news every. 2025年1月24日放送より】