海外でも評価が高まる“国産紅茶” 山陰両県の紅茶にも注目! 紅茶の専門家が特徴を解説 おいしく飲めるいれ方は…「あんまり考えなくても適当でいい」 鳥取県・島根県
気になる話題を掘り下げる「読み解く」のコーナーです。テーマは「紅茶」。中でも、日本で栽培されている「国産紅茶」についてです。山陰両県でも作られていてこのたび、快挙を成し遂げました。
こちらは、去年12月に日経新聞が発表した全国の紅茶ランキング。紅茶の専門家11人が味や香りなどを指標に選んだものになります。現在、国内では1000か所以上で栽培されていて、1位は、お茶どころ・静岡県の紅茶だったのですが、トップ10内に島根・鳥取の紅茶も選ばれました。
第5位
・島根県出雲市 西製茶所の「出雲国のべにふうき紅茶」
第9位
・鳥取県大山町 陣構茶生産組合の「とっとり有機紅茶」
2つのお茶の特徴を、国産紅茶の専門家に聞きました。
鳥取の紅茶好きが集まって1993年に誕生した紅茶の会代表の藤原一輝さんです。「地酒・地ビール」などのようにその地域の特性を生かして作られる「地紅茶」の魅力を広めるため活動しています。
まず、第9位になった「とっとり有機紅茶」については。
藤原一輝さん
「茶葉の品種はやぶきたを使った紅茶でして、やぶきたは緑茶に使われているので、日本人には馴染みやすくて優しい味で、爽やかなフレッシュ感。それと一番の特徴は渋くない。甘みが強くて、あっさりとした味わいというのが鳥取の紅茶です」
一方、今回5位に輝いた「出雲の国のべにふうき紅茶」は。
藤原一輝さん
「べにふうきというのは、アッサムという紅茶とダージリンを交配した紅茶で、飲むと外国産の紅茶に負けないコクとか香り。ミルクティーにぴったり。逆に鳥取の紅茶は、そのままストレートで飲まれるのが良いかなとかそういう差がありますね」
評価が高い、山陰の紅茶。藤原さんによりますと、国産紅茶の品質は、年々上昇しているといいます。
藤原一輝さん
「ロンドンのコンテストで、昨年度は熊本県の紅茶が、世界で一番。今年度も最優秀賞や優秀賞を日本の紅茶が複数取っていますので、紅茶は日本だけの評価じゃなくて、海外の評価が高まっています」
今回9位に輝いた大山・陣構茶生産組合でも若手生産者が中心となって、海外の品評会での受賞を目指しているそうです。
また“おいしい”いれ方についても聞きました。
藤原一輝さん
「楽にいれられるのが地紅茶・和紅茶の飲み方なので、“おいしい”いれ方ってあんまり考えなくても適当でいいというふうに僕は考えています」
お湯の温度や茶葉の量、時間などあまり厳密でなくても大丈夫。それには、日本の紅茶ならではの特徴が関係していました。
藤原一輝さん
「特に外国産との違いは30分、40分経っても味がそんなに変わらないんです。外国産の紅茶は渋みが強くなって苦くなって、飲むのしんどいなと思うんですけど、和紅茶の場合は、比較的同じ味わいで長時間飲める。特に難しいことないんですよ。『ええ加減にいれられる紅茶』と呼んでるんです」
藤原さんは、まずは地元や好きな地域の紅茶を気軽に楽しんでほしいと話していました。地域ごとに特色が色濃く出るので紅茶を通して、地元の魅力が世界に広まるーということも、今後増えてくるかもしれません。