明日、島根原発2号機がついに再稼働へ 電力の安定供給に向けて期待がある一方で不安の声も… 島根県松江市
約13年ぶりの再稼働が明日に迫った島根原発2号機。電力の安定供給への期待がある一方、安全・安心への不安の声もあります。
福島第一原発の事故を受け、2012年1月から停止していた島根原発2号機。3年前には再稼働のための原子力規制委員会の安全審査に合格。そして、2022年には事前了解権を持つ松江市・島根県も再稼働に同意していました。
島根県 丸山達也 知事
「島根2号機の再稼働については、現状においてはやむをえないと考え、容認することといたします」
資源エネルギー庁によりますと、現在、稼働している原発は全国で12基。島根原発2号機は福島第一原発と同じ沸騰水型原子炉で再稼働すれば、すでに再稼働をしていて12月中に営業運転を始める予定の宮城県・女川原発に続いて2例目になります。
島根原子力発電所 岩崎晃 所長
「これ以上なかなか出来ないのではないかというくらいまで、随分と設備は用意してきました。やはり、それをわれわれ職員、社員が使いこなしていくというのが大切だと考えております」
再稼働まで一週間を切った12月2日には、中国電力は再稼働のために実施した64項目の安全対策設備を報道陣に公開。津波を想定した防波壁や、緊急時を想定した高圧電源車など島根原発2号機の安全性をアピールしました。
一方で、再稼働を前に各地では不安の声もー。
島根県母親大会連絡会 江角聖子 事務局長
「原発を管理する企業に対する不信感というのがすごく大きいんです」
中国電力が毎年6月に行っている原子力安全文化の日。2010年3月島根原発の1号機と2号機で点検漏れや点検記録の不整合が発覚。島根原発は日本国内で初めて点検不備が原因で運転停止となったのです。
中国電力 松井三夫 副社長(当時)
「設備が健全なら問題ないという風土で、報告が遅く、不適合管理もなされず、修正もされなかった」
中国電力の企業風土が大きな問題となりました。事故を防ぐためにも何重もの対策と高い安全管理の意識が求められているのです。
再稼働について松江駅で聞いてみるとー。
街の人
「仕方ない賛成だよね。何か1つ稼働していれば稼働しちゃうじゃん絶対」
「初めて知りました。知らなかったです」
「安全に動かしてくれれば、それでいいです」
原発の再稼働、そして安全・安心へ1人1人が関心を持つことが大切です。
原子炉を起動させるための燃料装荷も終え、約13年ぶりの再稼働を待つ島根原発2号機。12月7日の午後には、制御棒を引き抜き、原子炉を起動する予定です。