国登録有形文化財・日野橋の存廃 今後の在り方をどうするのか… 市民アンケートでは「存続させるべき」は18% 「早期に撤去すべき」は17% 有害物質も検出され、大規模改修を行う計画で維持管理費が争点 鳥取県米子市
存廃が議論されている鳥取県米子市の国登録有形文化財・日野橋について、3月27日に検討委員会が開かれました。
米子市の日野川に架かる日野橋は、2年前、有害物質のPCB、ポリ塩化ビフェニールが、低濃度検出されたことに伴い、市では今年の夏からPCBの除去や塗装など大規模改修を行う計画です。ただ、その後の日野橋について、米子市は100年間存続する場合の維持管理費は、約71億円。撤去する場合の費用は、約28億円と試算していて今後の存廃も議論されています。
こうした中、3月27日に4回目となる日野橋の在り方検討委員会が開かれました。この中で米子市が、去年12月、18歳以上の市民3000人を無作為に抽出し、1117人の回答を得た「今後の日野橋の在り方を問う市民アンケート」の結果が報告されました。それによりますと、
「存続させるべき」は18%
「早期に撤去すべき」は17%
という回答でした。
また、日野橋周辺の3地区での意見交換会では、「残して欲しい」という声が多く聞かれたということです。
日野橋の在り方検討委員会 福山敬 委員長
「(日野橋の)大型改修をすることが決まっていますので(存廃には)少し考える時間があると。ただ、その考える時間は考えるだけの時だけでなくて、どういったアクションが出来るのか、市民の認識の変化も含めてみていかないといかない機会になると思います」
現在、日野橋は歩行者と自転車、自動二輪車の通行に限定され利用者も年々減少。交通機能が縮小している日野橋の維持管理費は、今後、市民の大きな負担になるとみられます。
その一方で、100年近い歴史がある文化財として多くの市民に親しまれてきた日野橋を今後も維持していくのかー。検討委員会では、今年7月にも今後の方向性を示す報告書を提出するとしています。