「屋根に穴が開いている」 さまざまな口実で突然やってくる「悪質なリフォーム業者」 その手口と対策を現役の警察官とともに解説
現役の警察官とともに解説していくコーナーです。解説は鳥取県警生活安全企画課波田貴幸警部補です。
鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「今回は、悪質なリフォーム業者について解説していきます」
中山アナウンサー
「まず、どういったものなのか見ていきます」
鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「リフォーム業者などが突然訪れ『無料点検』をもちかけるなどして故意に瓦を壊したり、偽の写真を見せたりして不要な工事契約を結ぼうとするものです」
中山アナ
「では、その悪質リフォームなどを含む特定商取引に関する法律違反の検挙数を見ていきますと、鳥取県では過去5年間、毎年発生しているんですね。特に注意する時期などあるんですか?」
鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「はい、特に雪もとけ、暖かくなってきたこの時期、『今年の大雪の影響で屋根が壊れてしまったようだ』など、さまざまな口実でやってくる可能性が高いので要注意なんです」
では、具体的にどんな手口なのか実際に鳥取県内で発生した事案を再現しました。
ある女性のもとに突然やってきたリフォーム業者の男。
リフォーム業者を名乗る男
「近くで工事をしていたらお宅の倉庫の屋根に穴が開いているのが見えた。写真を見てほしい」
男はこう話し、穴のあいた屋根の写真を見せました。不安になり修理が必要だと思ってしまった女性。そして、男に言われるがまま工事費約50万円を前払いで支払うことにー。
しかし、工事開始時期を過ぎても一向に工事は始まらず。女性が男に連絡したところさまざまな理由を付け先延ばしにした上に連絡が取れなくなりました。
男からは事前に見積書と領収書が交付されていたものの、よく見てみると法律で義務付けられている「クーリング・オフ」に関する記載はなかったということです。
■悪質なリフォーム業者の手口とは?
中山アナ
「改めて、この手口を見ていきます。
①突然訪問し「無料点検」勧める
②屋根や瓦が壊れそうなど写真を見せて工事勧める
③見積書に詳細やクーリングオフの記載がない
こういった特徴があると言うことですが、この中でも注意すべきことは何でしょうか」
鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「はい、最後の『クーリングオフの記載がない』と言うことですね。ご存知の方も多いとは思いますが、クーリングオフとは契約した後でも8日間以内であれば契約解除や払った代金の返金を求めることができる制度のことです。工事が始まってからでも8日以内であればクーリングオフが適用されます。書面で行うことが必要ですが、そのような記載がない見積書の場合は後で業者が都合のいいように適当なことを言い返金されないなどトラブルにつながることもあります」
中山アナ
「では、こうしたトラブルに巻き込まれないためにはどうしたらいいでしょうか」
鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「無料点検と言われても簡単に人を入れないこと。工事契約を1人でしない。見積書をチェックし、細かな記載がされているかチェックする。このようなことを普段から気をつけてつけておくといいですし、時にはほかの業者にも確認してもらい、本当に必要な工事なのか判断してもらうと言うのも対策になります」
鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「そして、困ったらまずは、警察でも構いませんが、消費者ホットライン『188』までご相談ください」
中山アナ
「普段からご家族で注意し合う、話し合うのも大切となってきそうですね。今、この時期が注意です。ここまで『悪質リフォーム業者』について鳥取県警生活安全企画課波田警部補とともにお伝えしました」