こだわりと発見が詰まった旧吉田医院 鳥取出身の民藝運動家・吉田璋也が手掛けた病院を公開 鳥取県鳥取市
JR鳥取駅前の商店街で開かれている民藝にまつわるイベントに合わせ、10月19・20日に鳥取出身の民藝運動家・吉田璋也が手掛けた民藝品が公開されます。
19日・20日に一般公開される鳥取市の旧吉田医院。建物の中に入ってみると、そこに広がるのはレトロな世界。普段は公開されていない約70年前に建てられた病院です。ここにある道具は鳥取の民藝運動家・吉田璋也が手掛けました。
まず目に入るのは、以前この病院で使用されていた机や医療道具の数々ですが、吉田璋也の民藝の面白さは実はこんなところにもあるのです。部屋を仕切る引き戸は卍(まんじ)のようなデザインに柔らかなカーブ。これは、朝鮮半島やヨーロッパなど、外国のデザインを取り入れたものだといいます。
鳥取民藝美術館 木谷清人 常務理事
「形に特徴があります。まず座るところはイギリスのウィンザーチェアというデザイン。ひじ掛け・背もたれは中国のカンイのデザインを合わせている」
吉田璋也の民藝の特徴は「文化の多様性」。鳥取の木を使い、1つの民藝品に複数の海外のデザインを組み合わせながら、現代の生活にも合うような作品、まさにほかにはないデザインが特徴です。
受付にはインドの仏教施設に用いられた火灯窓のデザイン。まるく飛び出た階段はヨーロッパのバロック建築をイメージして設計されました。
鳥取民藝美術館 木谷清人 常務理事
「単なるレトロだと、コンクリートの建物でもレトロのものはたくさんありますよね。でも木の温かみだとか、仕上げの柔らかさとかそういうのを見ていただくと民藝家具の良さがわかっていただけると思います」
細かな場所にもこだわりと発見が詰まった旧吉田医院。10月19日と20日に一般公開されます。