温度差に“要注意” これからの時期に気を付けなければならない「ヒートショック」とは
これからの時期、温度差に要注意です。温度差による血圧の変動で脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす「ヒートショック」。その対策を取材しました。
今週、今シーズン一番の寒さを記録した山陰地方。これから迎える本格的な冬に私たちの身近に潜む危険があります。鳥取市のクリニックを訪ねてみるとー。
よしだ内科医院 吉田眞人院長
「寒い温度と暑い温度で一気に10℃くらいの変化が出る条件になると、血液の流れが悪くなって脳血管障害・心筋梗塞に繋がるということが起こる。“ヒートショック”と言われています」
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく上下に変動し、血管や心臓に大きな負担がかかることで、心筋梗塞や脳卒中など命に危険を及ぼす恐れがあります。冬場の脱衣所や浴室、トイレなどは、特に注意が必要になります。鳥取県によりますと、去年、脱衣所や浴室で救急搬送された事案は504件。このうち、約100人が亡くなっていて、その大半を占めるのが65歳以上の高齢者です。
よしだ内科医院 吉田眞人院長
「高齢者は自分の血管がやわらかく変化を吸収してやるという能力が落ちています。従って硬い血管の人(高齢者)は少しの温度変化に影響を受けやすいです」
ヒートショックに特に注意が必要な高齢者。多くの高齢者が利用する鳥取市の温泉施設では、ヒートショックを防ぐための対策がとられていました。
吉岡温泉会館 一の湯 松浦聡子館長
「館内の温度を一定に保つようにしておりまして“とにかく高い温度”ではなく、脱いだときにほんのり暖かいような温度設定にさせていただいております」
ヒートショックの対策として大切なのは、できるだけ温度差をなくすこと。脱衣所に暖房器具を設置することも効果的です。取材した鳥取市の温泉施設では、脱衣所の温度を常に22℃前後にし、さらに施設のスタッフがー。
~フロントスタッフの呼びかけの様子~
「外が寒くなってきたので、掛け湯をしながらぬるい湯に入っていただいてから熱い湯に入っていただいて。水分補給を忘れないようにしてください。」
利用者一人一人に注意を呼びかけていました。急激な体温変化を防ぐための掛け湯や血圧低下を防ぐための水分補給も予防につながります。また、自宅では湯舟の蓋を開けて浴室をあたためることや食後や飲酒後の入浴を避けることも対策になります。
吉岡温泉会館 一の湯 松浦聡子館長
「身体を温めて健康になっていただくための施設ですので、ぬるい湯から入っていただいて、今後も対策をしながら健康になっていただければと思います」
本格的に寒さが増してくるこれからのシーズン。温度差に十分に注意してください。