【特集】新商品「うるし茶」で一服いかが 就労支援施設のアップサイクル!
特集は就労支援施設のアップサイクルの取り組みです。うるしの使われない種を活用して「うるし茶」を作りました。
平川市にある就労継続支援施設「きりんの里」です。ここでは障がいがある人などの就労を支援するため漆の苗木の栽培をする「きりんうるしプロジェクト」を実施していて漆を使った商品もここで製造しています。
★濱野壱清アナウンサー
「中でも、今年に入って販売が始まったのが、こちらの、うるしのお茶です」
新しく加わった商品は「きりんうるし茶」。
うるし茶といってもかぶれの原因となる「ウルシオール」は含まれず、ノンカフェインでこうばしく清涼感あるお茶に仕上げました。
このお茶ができたきっかけは廃棄されるものに新しい付加価値をつけて商品化するアップサイクルの取り組みでした。
★きりんの里 小林真弓 事務局長
「きりんうるしプロジェクトで、うるしの苗から育てていたんですが、廃棄される物がとても多いことに気がつきました」
うるしの発芽しない種は本来捨てられてしまいますがその捨てられる種を活用してうるしのお茶を作ったのです。
★きりんの里 小林真弓 事務局長
「これがうるしの種です」
原材料はうるしの種のみ。枝についた種を手作業で丁寧に取り外し、精米機で殻を処理します。
種を塩水に入れると発芽しないものは中身が空なので浮かび上がってきます。
これを熱湯で洗い雑味を取り除いたらきれいな種だけを選別し、専用の機械で10時間乾燥させます。
★きりんの里 小林真弓 事務局長
「最初は80度の低温で40分ぐらいいってますその後に完全に水分が抜けた状態を確認してから 少しずつ温度を上げていきます」
240度で焦げ目をつけたら最後に焙煎した種を青森ヒバのチップで燻製して「きりんうるし茶」の出来上がり。
グラインダーで豆をひき、ティーバッグに詰め、包装するまで、全て施設を利用している方々の手作業です。
パッケージにもこだわりが…
★きりんの里 小林真弓 事務局長
「こちら、いろんなねぷたの団体さんから譲っていただいた、ねぷた絵になります」
パッケージにはねぷた絵や津軽塗の模様を施し「青森らしさ」にこだわりました。そのお味は…
★濱野壱清アナウンサー
「飲む前からヒバの香りがすごいです。ほうじ茶をさらに飲みやすくしたような。そして後から甘みも来ますね。ノンカフェインということなので、お休み前のリラックスタイムにもぴったりだと思います。とてもおいしいです」
自分たちで手間暇をかけて一生懸命作ったうるしのお茶。施設を利用している方々もその可能性を感じていました。
★利用者
「うるしからお茶にするというのは、イメージになかったですね。びっくりしましたね。こんなことができるんだというか、感心しました」
「飲みやすくておいしいです うるしに興味ある人に勧めたいです」
漆の苗木を栽培するプロジェクトを続けてきた「きりんの里」は、このお茶を通して人々のつながりを作り出したいと考えています。
★きりんの里 小林真弓 事務局長
「うるしっていうのは、昔々、縄文時代から、接着剤として使われていた物です。また、うるしは英語でジャパンという名前なんですよなので、ぜひ日本の方、日本が好きな方、あとは、うるしはとにかく接着剤なので、人と繋がりたい方、あとは、伝統工芸や文化財に興味があるうるしを使っている方などに、飲んでいただけたらなと思っています」
施設の方々の思いのこもった「きりんうるし茶」。あなたも一服してみてはいかがでしょうか。