青森ねぶた祭と弘前ねぷたまつりがきのう閉幕し、観客たちがまつりの余韻に酔いしれました。まつり期間中ある場所を訪れた人が過去最も多かったことがわかりました。

青森ねぶた祭最終日のきのう、日が暮れた青い海公園には大勢の観客がつめかけました。青森港ではねぶた大賞と最優秀制作者賞に輝いた青森市民ねぶた実行委員会の「鬼子母神」など4台の海上運行が行われました。海上運行は灯籠と一緒にけがれを流して無病息災を祈る「ねぶた流し」の名残とも言われています。
夜空には1万発の花火が打ち上げられました。鮮やかに水面を照らすねぶたと花火の共演。観客はみちのくの夏の夜空を焦がした6日間の余韻に酔いしれていました。

★観客
「花火とねぶたの迫力があって見応えがあってよかったです」
「船上のねぶたは海の反射とかもあって夜なのもあってめっちゃきれいに映ってたなと思ったのでねぶた最高」

弘前ねぷたまつりはきのう7日間のまつりを締めくくる「なぬかびおくり」かつて最終日にねぷたを水に流していた風習を炎で流し送るという意味に置き換え2011年から行われています。岩木川沿いの土手を川に見立ててねぷた11台が運行しました。
このあと3台のねぷたに火がつけられ災いを焼き払う炎が赤々と燃え上がりました。

★地元の人
「すごく雰囲気が良いと思って感動しました良かったです」
「（燃えて）ねぷたが崩れていく姿がすごく幻想的で約1週間というねぷたまつりの終わりにすごくふさわしいものだと感じました」
「（ねぷたが）燃やされるとなるとすごくもったいないと思いつつ、はかなさが良いのかなと勝手に思っていました」

観客は夜空に舞い上がる炎を眺めながら行く夏を惜しんでいました。

★青森放送　菅原厚
「ねぶた祭フィナーレから一夜明け　ここワ・ラッセにはまつりの余韻に浸る多くの観光客の姿がみられます」

観光客に人気の「ねぶたの家ワ・ラッセ」　ことしのまつり期間中入館者数はあわせて2万3,763人と、去年を2割以上上回り過去最も多かったということです。今月3日には4,631人が訪れ、1日の入場者数として開館以来、過去最多を記録しました。外国人観光客の増加も一因とみられています。

★ねぶたの家ワ・ラッセ　髙坂麻子 副館長
「外国人のお客様が昨年よりは増えております　あす、あさって臨時休館させていただき大型ねぶたを入れ替えます　8月11日からことし運行した新しいねぶたが4台展示になりリニューアルオープンとなります」

青森ねぶた祭実行委員会によりますとことし6日間の人出は速報値で去年より3万人少ない98万人でした。去年のAIによる集計では暗がりで人の顔を正確に認識できなかったことから、ことしはスマートフォンのGPS位置情報を用いた測定方法を導入しました。速報値には外国人観光客が含まれていないため、実際はさらに上積みとなり去年を上回る人出と見込んでいます。

★青森観光コンベンション協会　六角正人専務
「去年よりは人が出ているだろうという感じはありますが集計方法を少し変えていますので外国人のみなさんがことしも非常に多くお見えになっています」

一方、弘前市は弘前ねぷたまつり期間中の人出を142万人と発表しました。去年より5万人増えています。最も多かったのは今月3日と5日の29万人です。要因として市は天候に恵まれたことや大型クルーズ船で訪れた外国人観光客が増えたためと分析しています。

八戸三社大祭には115万9,000人が訪れました。コロナ禍前だった2019年の107万人を上回り、現在の集計方法となった2001年以降最多です。

★VISITはちのへ　阿部寿一専務理事
「（去年に比べ）さらに増えたということはやはり認知度が上がっているのかなと思っています」

きょうが最終日の五所川原立佞武多にはきのうまでの4日間で、合わせて21万人が訪れています。5日間で26万1,000人が訪れた去年をやや上回るペースで、各地ともいつもよりにぎわったまつりになったようです。

青森ねぶた祭の閉幕から一夜明けたラッセランドでは、朝から早くもねぶたの解体作業が行われていました。
一方、ねぶた大賞を受賞した青森市民ねぶた実行委員会の「鬼子母神」は、ちょうちんや発電機を取り外すなど、大阪万博への展示に向けた準備が進められていました。県内で見られなくなるまえに一目見ようと訪れる人もいました。

★訪れた人
「きょう見納めだなと思って本当はその前にワ・ラッセに行くのかなと思ったんですけど世界中の人に見てもらえるからうれしい　ちょっと寂しいですけど　来年は大阪万博でやるということで見に行きたいと今は計画しています」

「鬼子母神」は今月11日に青森を出発するということです。