きのう愛媛県今治市で発生した山火事は現在も延焼中です。

現場から中継です。

穴井記者：
「現場から2キロほど離れた今治市の朝倉地区です。先ほど5時50分頃、この地区にも避難指示が出され、避難場所となっているこちらの公民館には、避難する人の姿が見えました。私たちが取材を始めた午前10時頃は画面奥の山の中腹あたりが燃えていましたが、およそ8時間が経過し、現在はご覧の通り延焼の範囲が広がり、麓の住宅にも火の手が迫っているように見えます」

きのう午後4時ごろに発生した、今治市の山火事。県によりますと、これまでに火事によるケガ人や家屋などへの被害は確認されていませんが、山林およそ145ヘクタールが焼けたということです。

この火事で、今治市長沢地区と朝倉北、西条市楠河地区のあわせて1345世帯2585人に避難指示が出されていて、これまでに自主避難を含め、139人が避難したということです。

火は現在も延焼を続けていて、消防などによる懸命の消火活動が続いています。発生から26時間あまり。これまでの被害や住民の声をまとめました。

きのう、午後4時前。

通報：
「山に火が燃え広がりそうです」

今治市長沢地区から119番通報があり火災の発生が発覚しました。

きのう、午後4時前。

通報：
「山に火が燃え広がりそうです」

今治市長沢地区から119番通報があり火災の発生が発覚しました。山からはオレンジ色の炎が立ち上り、白い煙がもくもくと広がります。

県は昨夜9時半から災害対策本部会議を開き、自衛隊に派遣を要請することを決定。夜を徹して消火活動が行われましたが…

（ヘリ）白石アナ：
「西条市方面から火事現場をとらえているんですが、きのうの映像と比べますと朝倉方面、西側に火が燃え広がっているのがわかります。あたり一面は白い煙に覆われています。このあたり山の斜面を見てみますと、木の高さよりも火柱が高く見えます。かなり激しく燃えているのがこの映像からもわかります」

空からは県の消防防災ヘリや自衛隊のヘリが、地上からは地元の消防などのべ、およそ570人が消火活動を行いましたが、現在も鎮圧には至っていません。

現場は、今治小松自動車道の今治湯ノ浦ICの南西赤色で囲んだ範囲の山林です。西側が今治市の朝倉地区、南側は西条市と隣接していて、山林を含む、北側の今治市長沢地区と南側の西条市楠河地区などあわせて1345世帯2585人に避難指示が出されています。

これまでに、山林およそおよそ145ヘクタールが焼けていて、現在も延焼が続いています。

白石アナ：
「あ！オレンジの炎が見えました。建物のすぐ近くに火が迫っているのがわかります」

火の勢いが強くなり、30分後には…

白石アナ：
「火災現場、今治市方面から撮影しています。画面中央にある建物ですが、周囲を炎で囲まれてしまっています。あと数十メートルというところでしょうか。火が迫ってきています」

今のところ、火事によるケガ人や民家への延焼は確認されていませんが…

女性：
「朝よりもひどくなってるし、家も近いですし、大船渡みたいに何日も燃えたらけっこう広がりが、風もあるし怖いです」

近隣住民：
「もう考えられん。ここから1.5キロくらい向こうの海岸で灰が降りよんですからね」

住民からは、強風による燃え広がりを心配する声が多く聞かれました。

山林の北側にある道の駅では…

道の駅 今治湯ノ浦温泉 村上みお駅長：
「もうここが焼けてた。車にうっすらすすが積もっちゃうくらい。火の粉が こっちに飛んで来てたんで、消防団員の方が水を建物にまいてくれて」

建物のすぐ裏の山が燃え、きのうの夕方から休業を余儀なくされていますが、スタッフや建物への被害は今のところありません。

村上駅長：
「山崎製パンさんがパンを500個提供してくださって、 それを食べながら休憩して頂いて」

道の駅を、消防の現場指揮本部として開放しています。

村上駅長：
「地元の消防団に入ってらっしゃる知り合いとかも寝てないって、でも頑張る、ここの湯ノ浦の建物に火が延焼しないように絶対守るからっておっしゃっていただいて。ほんとに焼けると思ったんです、ああ終わりだって。命が助かったと同じくらい嬉しいことなので、GWに皆さんを迎えられるくらいまで頑張っておこうと思いました」

この火事の影響で朝倉南地区のおよそ30戸で二次被害を防ぐための停電が発生しています。

県の最新の情報によりますと、延焼は、西の方向に広がっているということです。

また、ヘリによる消火活動はきょうの日没でいったん終了し、あす早朝に再開する予定で、地上からの消火活動は今晩も夜通し行われる予定だということです。