秋の全国火災予防運動がスタート 火災防止のために注意するポイントは【愛媛】
立冬を過ぎ、空気が乾燥する季節を前に、9日秋の全国火災予防運動が始まりました。ことしは特に気を付けるポイントも。火災防止のためにチェックしておきたいことは?
(訓練)
「火事です!火事です参拝者の方いらっしゃったら避難してください」
9日、全国一斉で始まった、秋の火災予防運動。
「椿神社」の愛称で親しまれる、愛媛県松山市の伊予豆比古命神社では、松山市南消防署や神社の関係者などおよそ70人が参加して訓練が行われました。
神社関係者:
「参拝者6名 避難完了しました。負傷者1名 職員1名逃げ遅れがいますが、そのほかの職員は避難完了です」
訓練では、駆けつけた消防隊員が逃げ遅れた人を救助し、消火活動にあたっていました。
この「秋の全国火災予防運動」は、住民に防火についての意識を高めてもらおうと毎年行われているものです。
これから迎える、火災が発生しやすい季節。
しかし、今日の訓練では異変も…
バケツリレーのバケツには水が見当たりません。松山市南消防署によると、少雨による水不足の影響で、訓練では水を使わずに、実際の手順確認にとどめたということです。
(大洲市の会見)
「9月ごろから続く少雨に伴い山間地は乾燥状態となっており、延焼が拡大していたものと考えている」
11月1日に大洲市戒川で発生した山火事。発生から7日経った11月8日、鎮火したと発表されましたが、燃え広がった要因のひとつが雨が少なかったことだと言います。
ことし9月から11月8日までの60日間の降水量は平年と比べ、松山で8%、今治市玉川で12%など記録的な少なさとなっていて、県全体でも30%を下回っています。
つまり、少しの火種でも燃え広がるリスクが高い状況となっているのです。
火事を起こさないために。
9日、松山市では、消防署の職員や民生委員が一人暮らしの高齢者の自宅を訪問して、防火を呼びかけました。
消防職員:
「これ(住宅用火災警報器)と同じもので構いませんので、一番いいのは先ほどの寝る部屋につけるのが一番いい」
2022年火災で亡くなった8人のうち、5人が高齢者だった松山市。
訪問活動では、台所や暖房器具など火の気のある場所が安全かどうかや住宅用火災警報器が設置されているかをチェックしていました。
そして、思わぬ火種となるのが…
松山市中央消防署 宮崎正次副主幹:
「線香などが倒れてその火種で火災に至ったという事例もあるのでやはり短く折って使っていただいて」
仏壇です。
消防署によると、線香は短く折るか、倒れないよう寝かせて使用すると火災のリスクを下げられるとのことです。
さらに、これから気温が下がってくることから気を付けたいのが。
宮崎副主幹:
「特に石油ストーブや石油ファンヒーターは、新しい燃料を使うカートリッジタンクなどの蓋をしっかり締まっていることを確認して利用してほしい」
このほか、周囲に燃えやすいものがないかを確認するなど、安全に利用して火災を発生させない工夫が必要です。
松山市消防局では11月末までに市内の一人暮らしや寝たきりの高齢者およそ1200人を訪問して啓発を行うことにしています。