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高知の表情を空から紹介『空からeyeましょう』 秘境の神社&神秘の山【高知】

2024年10月2日 18:57
高知の表情を空から紹介『空からeyeましょう』 秘境の神社&神秘の山【高知】
ドローンで高知県内各地の表情を紹介する「空からeyeましょう」。今回は越知町から、山奥の絶壁に建てられた「秘境の神社」と、多くの伝説が残る「神秘の山」です。

聖神社
深い山の中で人を寄せ付けない険しさを見せる断崖絶壁。その崖のくぼみに近づくと、狭い岩陰に納まるように建てられた社が。その光景はまさに「秘境」です。
高知市から車で約1時間半。越知町の南西部に広がる南ノ川地区です。
高さ約200メートルの断崖絶壁。そのわずかな空間に建てられているのが「聖神社」です。
地元では神様がこの場所に神社を投げ入れたという言い伝えがあり、「土佐の投入堂」とも呼ばれています。
近年では全国的にも珍しい「絶壁建築」として、SNSなどで注目されています。

なぜ、この場所に神社が建てられたのか。
越知町などによりますと、少なくとも1878年(明治11年)には存在していた記録が残るものの、それ以前の詳しい歴史についてはよくわかっていません。一説では「修験道」といわれる山岳信仰の修行の場の1つとしてしてできたのではないかといわれています。

70年ほど前までは地区の住民が通っていたという聖神社。社までの道のりが険しく、地区の過疎化と高齢化の影響で次第に人々の足が遠のき荒廃していましたが、1989年に地元出身の岡村豊延さん(87)が修復を行い、以来30年に渡って守り続けています。

山深い断崖絶壁にある「聖神社」。謎多き秘境の神社としてその姿を今に伝えています。

横倉山
越知町の中心部。市街地からもはっきりと見える大きな山が、町のシンボルともいえる「横倉山」です。
標高は約800メートル。平安時代から人々の信仰を集め、多くの人が修行のため険しい道を進みました。
現在は登山スポットとして人気で、多くの観光客が訪れています。

絶景を見渡せる山頂から少し下りたところにあるのが「馬鹿だめし」と呼ばれる、高さ80メートルほどの断崖絶壁です。足を運ぶ者は馬鹿者とされるほどの危険な場所にあることから、この名前がつけられたと言われています。

多くの伝説が残る横倉山。壇ノ浦の戦いで源氏に敗れた安徳天皇や、平家一門が落ち延びたという伝説が言い伝えられていて、その遺構が山の各地に残されています。

また、約1300種類の植物が自生していることから「植物の宝庫」とも呼ばれ、佐川町出身の植物学者・牧野富太郎博士も頻繁に訪れ、多くの新種を発見しました。

越知の町なみを見守るようにそびえ立つ雄大な横倉山。これからも訪れた人たちに神秘とロマンに包まれた風景を見せ続けます。
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