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金メダル級の輝きを放っていたチームにユニークな踊り子!よさこいプレイバック!【高知】

2024年8月14日 18:58
金メダル級の輝きを放っていたチームにユニークな踊り子!よさこいプレイバック!【高知】
8月12日にフィナーレを迎えた第71回よさこい祭り。よさこいの醍醐味は踊り子たちの個性にあります。今回は入賞こそならなかったものの、金メダル級の輝きを放っていたチームの演舞やユニークな踊り子にスポットをあてます。

184チーム、約1万7千人の踊り子が高知市内の17会場で華やかに舞い踊った4日間。

入賞はしなかったものの沿道を沸かした個性的なチームや踊り子たちが数多くいました。今回は取材班が出会った金メダル級の輝きを放つチームや踊り子を紹介します。

まずはトリニダード・トバゴのミュージシャンやプロのダンサーも参加する「CANAVALAVA(カナバラバ)」。
カリブの音楽にアフリカンビートと正調よさこいが交じり合う南国のカーニバル集団のなかには、とびきりセクシーな女性や丸2日かけて身の回りのものを工作し、変身を遂げたトリニダード・トバゴの青い悪魔に扮した姿も。

続いては5年ぶりの参加となった「高知高専学生会」。2000年に一度途絶えた伝統の「スコップ隊」が24年ぶりに2人の生徒の立候補によって復活を遂げました。しかしたった2人のスコップ隊には今後の増員も大きな使命。プレッシャーがかかります。

■高知高専学生会 踊り子
「2人よりどんどん増やしていきたいので今年でスコップ隊はもっと楽しいんだぞっていうのを見せつけていきたい」
「プレッシャーなんてどんと来い」

その言葉通り堂々と演舞を披露した令和のスコップ隊。見事、花メダルをゲットしました。

次は初出場で地区競演場連合会奨励賞を受賞した「空跳~くどう~」。
女性ばかり140人のチームで、唯一という男性アイドルを愛宕競演場で訪ねてみました。初出場の「空跳~くどう~」で初めてのよさこいを踊る、はるまくん4歳です。訪ねた時はスヤスヤお休みタイム。

■踊り子
「帯屋町もがんばって踊って中央公園も踊って力尽きた。踊りがんばってました。楽しいみたいで曲がかかるとスイッチが入るみたい。本人が楽しんでやってくれたらなと思う」

しかし爆睡のはるまくん。愛宕競演場ではとうとう曲が始まってもスイッチは入りませんでした。
本祭2日目。升形商店街でもう一度チームを訪ねてみると、そこにはお姉さんたちに混じってしっかりと演舞するチームのアイドル、はるまくんの姿がありました。あまりの暑さに若干顔をしかめつつも大人と同じサイズの鳴子を器用に鳴らして隊列変化にも加わります。代表の工藤さんもメロメロです。

■空跳~くどう~代表 工藤理恵さん
「かわいくて、小さいけどポイントを掴んでいて、自分のかわいいポイントを知っていてアピールする。すごいですよ」

よさこいの次の世代を担う小さなスターに金メダルです。
よさこい祭り本祭1日目の升形地域競演場にはこの人の姿がありました。

■演歌歌手・三山ひろしさん
「めちゃくちゃ盛り上がってますね、最高じゃないですか。やっぱりこれが高知の夏ですね。よっちょれよさこい」

そして中央公園で冷たいビールを注いでいたのは高知市出身の元プロ野球選手・藤川球児さん。アサヒスーパードライのブランドカーが祭りを盛り上げようと四国初出展。

■藤川球児さん
高知県とビールは切り離せない、うちの県の自慢ですからね。2015年に高知ファイティングドッグスでプレーしていた時、 ちょうど中央公園から見た。やっぱりいいですね」

高知市役所踊り子隊にはスーパーヒーローが出動。特捜戦隊デカレンジャーのデカブレイク役で高知市の地域おこし協力隊の吉田友一さんとデカピンク役で妻の菊地美香さんがデカレッドとともに沿道を盛り上げました。

■吉田友一さん・菊地美香さん
「映画だけではなくてデカレンジャーで高知を盛り上げて行くので、ぜひこれからもよろしくお願いします」
「市役所の踊り子隊のみなさんもとてもあたたかく迎え入れてくれて高知ってあたたかいなって思いました。よさこい最高!」

そして本祭2日目夜の帯屋町には「高知家の姉さん」島崎和歌子さんの姿がありました。

■島崎和歌子さん
「去年よりさらにパワーアップしている。県外のチームの方がたくさん来ているからすごくうれしい。こうやって帰れる場所があるのでそれが有り難い。県民のみなさんがよさこいで帰ってきた時に『戻ってきた?おかえり』と言ってくれる。そういうのがやっぱりうれしい。帰れる場所があるって有り難い。ちょっと本当に(帰るための)仕事をもらわないと、おたくの局(高知放送)だけですよ何にもないの」

今年も祭りを盛り上げた高知ゆかりの有名人たち。そして今年はさらに祭りを盛り上げようと新たな取り組みが始まりました。

よさこい祭り振興会の公式ライン「高知よさこいLINE」では受賞チーム以外を対象に利用者が1人1チームを投票し上位3チームを発表する高知よさこいLINE賞を新たに設けました。今回の投票数は4819票で土佐清水市の「いなん」、高知市のブライダル会社が母体の「りぼん de yosakoi「結心」」、高知市から初出場の「おまち」が選ばれました。

しかし184チームのなかには今年を最後と決めて特別な思いで臨んだチームもありました。

高知市の「てんてんこ舞」は車いすの人や高齢者など障害のある人を中心に踊ろうと1998年に結成。誰でも踊れるチームとして23回参加してきましたが今年で活動休止となりました。

■てんてんこ舞 統括・森正男さん
「みなさんに声援をもらい、みなさんのお力添えあってのチーム。本当にありがたいなと思いながら感謝をしながら踊っている。もっと楽しい踊りを見てほしいと思っているので、いったん休止させてもらいエネルギーをチャージして戻ってきたい」

嶺北地域で唯一のよさこいチームも今年で最後となりました。2004年に結成した「おおとよ」。今年も3歳から70歳までの約60人が「お山の宴会」をテーマに沿道を盛り上げましたが運営側の高齢化などを理由に「おひらき」とすることを決めました。

■おおとよ 三谷志乃代表
「やっぱりさみしい。みんな仲良く最高のチームでした」
■おおとよ スタッフ
「(このチームで得たものは)やっぱり仲間。大豊町のいろんな人と町外の人とも深い絆が生まれたと思う」

チームが生んだ深い絆はこれからもきっと町の活力として息づくはずです。

一方、5年ぶりに復活したチームもありました。

コロナ禍を経て5年ぶり11回目の参加となった「ちかもり」。医療法人・近森会の医師や看護師などのチームでこの5年間に踊り子たちの多くは医療現場の最前線を支えてきました。

■ちかもり 楠瀬達也代表
「私たち医療従事者が踊ることによって健康の大切さ、健康で踊れることの大切さが伝えられたらと思う」

復活のテーマは「黎明」。コロナ禍の暗闇から明るい未来へと進む様子を100人の踊り子が力強く表現しました。

■ちかもり 踊り子
「今回いろんな職種が集まって協力して、まさにチーム医療を体現したようなすごくいいものが一夏でできた。もうやみつきになりそう」
■ちかもり 楠瀬達也代表
「『おかえり』って声をもらって本当にありがたく思っている。高知の夏によさこいは絶対無いといかんと思う。わたしたちも来年以降も続けられるようにがんばりたい」

夏の土佐路に1万7000人の踊り子とそれを支えるスタッフの涙と笑顔が輝いた怒涛の4日間でした。
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