警察学校の1日に密着 県民を守るため厳しい訓練に励む 【高知】
警察官の基礎を育む警察学校。訓練に励む警察官の卵たちに井出一崇アナウンサーが密着しました。
厳しい訓練の裏には県民を守るという強い思いがありました。
高知県南国市にある高知県警察学校。現在、高校卒業後の19歳から24歳までの20人の初任科生が在籍していて、来年1月までの10か月間、警察官としての基礎を学んでいます。
今回、野球部出身で体力には自信があるという井出一崇アナウンサーが警察学校に体験入校。初任科生たちの姿を追いました。
■井出一崇アナウンサー
「警察の人がどういう道のりをたどって警察になっていくのか、たった1日だけですが皆さんに伝わるように体当たり取材で頑張りたい」
午前9時前。最初の訓練が始まりました。まずは、30分間のアップから。
アップだけで、すでにバテバテになった井出アナに比べ、初任科生は涼しい顔。警察官にとって体力は基本中の基本です。
この日、体験したのは逮捕術です。逮捕術とは警察官が犯人を制圧するための警察独自の武術。柔道と剣道を組み合わせもので、警棒や短刀に見立てた武器を使います。
■教官
「もっと強く!」
教官は緊張感をもって厳しく接します。武器を持っているかもしれない犯人と対峙したときに、自らの命と県民の安全を守りながら相手を取り押さえる。現場で困ることのないよう鍛えているのです。
■教官
「包丁を持っている人、刀を持っている人、危ないものを持っている人に一歩前に出ないといけない。その時だけ覚悟して、怖いことを我慢するのは無理な話。その人に向かっていく気持ちを作るのが練習」
8か月も訓練を受けてきた初任科生の上杉惟心巡査。どれだけ修練を積んできたのか、井出アナが体験しますが、動きが素早くまるで歯が立ちません。
意地を見せたい井出アナ。終始押され続ける中、最後の最後に一本だけ決めさせてくれました。
■井出アナ
「すごく疲れた。相手はもしかしたら殺しにくる人かもしれないので、そう思ったら体力・気力・知力の全部大事だと思った」
ようやく午前の訓練が終わり、お待ちかねの昼食です。昼食は日替わりメニュー。
この日はカレーでした。同じ釜の飯を食うほどに仲良くなっていく初任科生たち。それぞれに警察官を志す理由があります。
井出アナの練習につきあってくれた上杉巡査は、父親の影響からでした。
■上杉惟心巡査
「父が警察官で憧れがあった。父の仕事の関係で高知県内の色々な場所を転々としていたが、その時々にその場所に優しい人とかたくさんいて、その人たちのためになりたいと思って警察官を目指した」
みんなのお姉さんのような存在の沖唯子巡査(24)。機械製造の企業に勤めていましたが、人を守る仕事がしたいと転職を決意しました。
■沖唯子巡査
「白バイの女性隊員の方に強い憧れをもったので警察官を目指した。体力がないので逮捕術だったり結構辛いときがあるが、同期の仲間と励まし合いながら頑張ったり、教官方から応援していただいたりして頑張れている」
警察官を目指し訓練に向き合う若者がいる一方で、警察学校を退職する人もいます。
県警によりますと、2019年からの5年間で、退職者がもっとも多かった年はおととしで、入校者57人のうち約2割が退職しています。
こうした状況を受けて、県警は去年から「助教」と呼ばれる年の近い巡査部長を学校に常駐させました。
ホームシックや勉強面での課題などをサポートする役割です。
■助教・市原夏海巡査部長
「自分が初任科生で入っている時には助教がいなかった。いたらやっぱり教官よりは言いやすい立場。ちょっとした質問とかでも聞きやすくて、いい制度なのかなと思う」
午後2時半。疲れがたまる初任科生たちに厳しい訓練が待ち構えていました。
重さ約8キロの防具をつけ、手には5キロほどの盾。教官の指示のもとグラウンドを走り続けます。その名も「警備実施訓練」。
暴動など過酷な現場を想定した訓練で、集団で機敏に動き、重い盾を持ち続ける体力を養います。約20分間走りっぱなしです。
■井出アナ
「ちょっとホントに危ない。倒れるんじゃないか立っているので精一杯」
走り終わったあとは盾を構える訓練。石を投げられたときに自分の身を守るための構えです。重たい盾を持ち上げ続けます。
■教官
「これで構え続けます、投石が終わるまで。指揮官が直れというまで止めておく、そうしないと自分の命がない。構えたら動かさない」
そのあとは再び盾を持って走る訓練。グラウンドには力強い声が響き続けます。
井出アナは、もはや限界。走る気力も無く、盾を持つこともできないほど追い込まれました。
それでも、皆に支えられどうにか無事訓練を終えました。
■井出アナ
「警察官の人たちもこれを乗り越えて警察官になっているんだなというのを実感したことで、改めて信頼と安心感。みなさんのそういった過程のおかげで我々の安全、安心があるんだと思った」
県民や自らの命を守りながら職務を遂行するために。
過酷な訓練を乗り越えた警察官たちによって私たちの生活は支えられています。
■上杉巡査
「困っている人に自分が来たら安心してもらえるような、助けになれるような警察官になりたい」
■沖巡査
「どこに配属されても優しくて強い警察官になりたい」
警察学校の卒業まで、約2か月。若者たちは切磋琢磨しながら人の痛みや苦しみに寄り添える強い警察官へと成長していきます。
厳しい訓練の裏には県民を守るという強い思いがありました。
高知県南国市にある高知県警察学校。現在、高校卒業後の19歳から24歳までの20人の初任科生が在籍していて、来年1月までの10か月間、警察官としての基礎を学んでいます。
今回、野球部出身で体力には自信があるという井出一崇アナウンサーが警察学校に体験入校。初任科生たちの姿を追いました。
■井出一崇アナウンサー
「警察の人がどういう道のりをたどって警察になっていくのか、たった1日だけですが皆さんに伝わるように体当たり取材で頑張りたい」
午前9時前。最初の訓練が始まりました。まずは、30分間のアップから。
アップだけで、すでにバテバテになった井出アナに比べ、初任科生は涼しい顔。警察官にとって体力は基本中の基本です。
この日、体験したのは逮捕術です。逮捕術とは警察官が犯人を制圧するための警察独自の武術。柔道と剣道を組み合わせもので、警棒や短刀に見立てた武器を使います。
■教官
「もっと強く!」
教官は緊張感をもって厳しく接します。武器を持っているかもしれない犯人と対峙したときに、自らの命と県民の安全を守りながら相手を取り押さえる。現場で困ることのないよう鍛えているのです。
■教官
「包丁を持っている人、刀を持っている人、危ないものを持っている人に一歩前に出ないといけない。その時だけ覚悟して、怖いことを我慢するのは無理な話。その人に向かっていく気持ちを作るのが練習」
8か月も訓練を受けてきた初任科生の上杉惟心巡査。どれだけ修練を積んできたのか、井出アナが体験しますが、動きが素早くまるで歯が立ちません。
意地を見せたい井出アナ。終始押され続ける中、最後の最後に一本だけ決めさせてくれました。
■井出アナ
「すごく疲れた。相手はもしかしたら殺しにくる人かもしれないので、そう思ったら体力・気力・知力の全部大事だと思った」
ようやく午前の訓練が終わり、お待ちかねの昼食です。昼食は日替わりメニュー。
この日はカレーでした。同じ釜の飯を食うほどに仲良くなっていく初任科生たち。それぞれに警察官を志す理由があります。
井出アナの練習につきあってくれた上杉巡査は、父親の影響からでした。
■上杉惟心巡査
「父が警察官で憧れがあった。父の仕事の関係で高知県内の色々な場所を転々としていたが、その時々にその場所に優しい人とかたくさんいて、その人たちのためになりたいと思って警察官を目指した」
みんなのお姉さんのような存在の沖唯子巡査(24)。機械製造の企業に勤めていましたが、人を守る仕事がしたいと転職を決意しました。
■沖唯子巡査
「白バイの女性隊員の方に強い憧れをもったので警察官を目指した。体力がないので逮捕術だったり結構辛いときがあるが、同期の仲間と励まし合いながら頑張ったり、教官方から応援していただいたりして頑張れている」
警察官を目指し訓練に向き合う若者がいる一方で、警察学校を退職する人もいます。
県警によりますと、2019年からの5年間で、退職者がもっとも多かった年はおととしで、入校者57人のうち約2割が退職しています。
こうした状況を受けて、県警は去年から「助教」と呼ばれる年の近い巡査部長を学校に常駐させました。
ホームシックや勉強面での課題などをサポートする役割です。
■助教・市原夏海巡査部長
「自分が初任科生で入っている時には助教がいなかった。いたらやっぱり教官よりは言いやすい立場。ちょっとした質問とかでも聞きやすくて、いい制度なのかなと思う」
午後2時半。疲れがたまる初任科生たちに厳しい訓練が待ち構えていました。
重さ約8キロの防具をつけ、手には5キロほどの盾。教官の指示のもとグラウンドを走り続けます。その名も「警備実施訓練」。
暴動など過酷な現場を想定した訓練で、集団で機敏に動き、重い盾を持ち続ける体力を養います。約20分間走りっぱなしです。
■井出アナ
「ちょっとホントに危ない。倒れるんじゃないか立っているので精一杯」
走り終わったあとは盾を構える訓練。石を投げられたときに自分の身を守るための構えです。重たい盾を持ち上げ続けます。
■教官
「これで構え続けます、投石が終わるまで。指揮官が直れというまで止めておく、そうしないと自分の命がない。構えたら動かさない」
そのあとは再び盾を持って走る訓練。グラウンドには力強い声が響き続けます。
井出アナは、もはや限界。走る気力も無く、盾を持つこともできないほど追い込まれました。
それでも、皆に支えられどうにか無事訓練を終えました。
■井出アナ
「警察官の人たちもこれを乗り越えて警察官になっているんだなというのを実感したことで、改めて信頼と安心感。みなさんのそういった過程のおかげで我々の安全、安心があるんだと思った」
県民や自らの命を守りながら職務を遂行するために。
過酷な訓練を乗り越えた警察官たちによって私たちの生活は支えられています。
■上杉巡査
「困っている人に自分が来たら安心してもらえるような、助けになれるような警察官になりたい」
■沖巡査
「どこに配属されても優しくて強い警察官になりたい」
警察学校の卒業まで、約2か月。若者たちは切磋琢磨しながら人の痛みや苦しみに寄り添える強い警察官へと成長していきます。
最終更新日:2024年12月2日 19:05