【賛否】4年で約4200万円 知事の「退職金」全国トップに 県職員・知事・県議など給与引き上げ条例案審議 知事の「退職金」は川勝県政下でも議論に(静岡)
静岡県知事の退職金が、全国で一番高くなる?今、その条例の改正について審議されています。
2日、開会した県議会12月定例会。この中では、県職員などの給与を民間との格差を埋めるために引き上げる条例案が審議されていて、この中には、知事や議員といった「特別職」の給与の引き上げも含まれています。条例案では、知事の給与は月額で、130万1000円から3.69%引き上げ134万9000円になる案となっていて、県の審議会によると、全国で20位から13位に上がるということです。これに伴い、「退職金」も上がることになります。
知事の退職金の算定方法は、月給と支給率と在職月数をかけたもので、条例で支給率は100分の65と定められていて、任期を満了した場合は、4208万9000円となります。これまでの4059万1000円から約150万円アップし、全国4位から1位になるということです。全国の知事の退職金に関しては、これまでは神奈川が4176万円でトップで、続いて埼玉、秋田、静岡という順番でした。県知事の退職金が日本一になるということに県民は…。
(県民)
「もらいすぎだとは思うが、これからやることさえやってくれれば、まぁ妥当かなとは思う」「僕の友達、10年で50万円しかもらえなかったので、それ考えるともらいすぎかと思いますけど」
(県民)
「もらいすぎかなと思うのと、もう少し市民に金をわけてくれればいいなと思う」「野菜とかも高くなっているし、食費もかかってくる中で、でも買わなきゃいけない…」
(県民)
「県民所得が全国一だというのなら話は分かるけどね、そうじゃないだもんね」
(県民)
「高いとか安いとかは尺度が難しいけど」「県民がそれだけ豊かで文句もでなければ、よいのではないか」
鈴木知事は3日、今回の給与引き上げに関して次のように話しました。
(鈴木知事)
「そこ(退職金日本一)だけが強調されているようですけども、特別職の給与につきましては私どもが決めたというわけではなくて、人事委員会の勧告に基づいて答申を受けたものでございますので、これから、いろいろなものを踏まえて検討していくもの。議会の議員の方を踏まえて、すべての特別職にあてはまっていくもの。そういうご理解をいただきたい」
知事の退職金を巡っては、川勝県政下では、度々注目が集まっていました。川勝前知事は2009年に「退職金ゼロ」を掲げて当選し、1期目は退職金を受け取りませんでした。しかし、2期目に関して受け取るのか、県議会で質問された際は…。
(川勝 前知事・2013年当時)
「知事は4年で区切りがくる。そのあと選挙活動をしなくてはなりません。選挙運動については静岡県では4570万円の上限が定められている、選挙資金の額が。それほどの金がかかるということ。その金額と退職金が比較的見合った形になっている」
(やじ)「まったく議論のすり替えだ!」
(川勝 前知事・2013年当時)
「退職金についてはまだ結論を出していない」
(やじ)
「もらう場合は3期目に立候補するということか!」
2023年の県議会でも、議員からは「県の財政が悪化しているにも関わらず、退職金を受け取るのか」と追及された川勝前知事。結局、2期目以降は退職金を受け取り、県によると、2期目と3期目は4059万円、4期目は任期途中で辞職したこともあり2875万円と、計1億0993万円を受け取りました。
2日、開会した県議会では、鈴木知事が、2025年度の予算編成で、財源不足額が620億円以上になる見通しを示していて、「健全財政」への決意を口にしていました。
(鈴木知事)
「あらゆる手段を尽くし、これまで以上に全庁一丸となって歳入歳出の見直しを徹底してまいります」
3日、鈴木知事は、退職金を受け取るかどうかは明確にせず、次のように話しました。
Q.(記者)「知事はあらゆる手段を尽くしていくという話もされていました。退職金に関してですね、自ら身を切っていくような考えは?」
(鈴木知事)
「それも含めて検討していきたいと思います」
これまでも議論されてきた知事の退職金。日本一高くなることで、今後も注目を集めることになりそうです。