【静岡県知事選】立候補表明した鈴木康友氏がスタジオ出演② リニアは本当に推進派?“最大の支援者”スズキ相談役は「リニア反対」と明らかにしたが…
3年前の静岡県知事選で自民党が推薦した候補に大差をつけ、4選を果たした川勝知事。この選挙で争点の一つとなったのは、県が今も着工を認めていないリニア新幹線、静岡工区の問題です。3年前、当選を決めた直後に、川勝知事は「任期中に解決する」と意気込んでいました
(2021年 中央大学法科大学院 野村修也 教授)
「この4年間の任期ですよね、そのうちに決めるんですよね」
(2021年 川勝知事)
「そうです、もっと早くなるかもしれませんよ。これはウィンウィンの関係をつくることが大事なんですよ、静岡県は何もわがままを言っているので
はなく、私は常に静岡県が国のために何ができるか、日本は世界のために何ができるのか、そういう観点で仕事をしてきました。この問題は世界的に
注目されていますから、いかにして、南アルプスをリニアから守るか、と同時にリニアを生かすか、両方を成り立たせる」
あれから3年、県とJR東海の議論はこう着状態が続いたままとなり、3月、JR東海は「2027年の開業」を断念すると発表しました。
4月、川勝知事は、辞職の理由を説明する会見で…
(4月 川勝知事)
「一番大きかったのはリニア。4期目はリニアの南アルプストンネル工事から南アルプスの水と生態系、環境こうしたものをいかに守るかといういことに心を砕いてきた。私はリニア問題を解決するのは、事業計画を見直す以外はないと思っていた。この事業計画の見直しに丹羽新社長が踏み出された」
リニア問題の解決とは、開業時期を遅らせることであったかのような発言をしています。
【スタジオ】
(津川 祥吾 アンカー)
川勝知事は後継者指名していません。一方、推薦を受けた団体が川勝さんとほぼ同じだが、川勝県政を継承するのか?変えていくのか?
(鈴木 康友氏)
私は(川勝知事とは)まったく別人。ゼロベースでスタートする。だから、継承する必要もない。鈴木康友県政をゼロから作る。市長の時もそうでした。ゼロから鈴木市政を作る。
(津川 祥吾 アンカー)
もう1つ、注目を集めるのが、リニアの問題。
(徳増 ないるキャスター)
鈴木さんはリニア新幹線について、推進の立ち場。特に水問題の解決策として田代ダム案を評価している。川勝知事は推進としながらも、事実上反対してきました。
また、川勝知事と鈴木さんの最大の支援者でもある自動車メーカー・スズキの鈴木修相談役は、4月報道陣に対して「私はリニア反対」と明言したことから、鈴木さんは本当にリニア推進なのか?という声も上がっている。
(津川 祥吾 アンカー) 鈴木さんが「推進です」と言っているわりには、「本当に推進なのか?」と感じている人が多いと思う。川勝さんが言っていた「推進」は、鈴木さんから見て「推進」なのでしょうか?
(鈴木 康友氏)
「推進」というより「ストップ」ですね。そういう風に見えていた。
私も市長時代、いろんな新しいことにチャレンジしたが、新しいことをやると必ず課題が生まれる。課題があるから やめるのではなく、クリアして先に進めていく、というのが、私の16年間の市長方針。
(津川祥吾 アンカー)
スズキの鈴木修相談役は、「リニアに反対」としているが?
(鈴木康友氏)
明確に「反対」とは書いたが、いろいろ確認すると、決して反対でもない。
(津川祥吾 アンカー)
鈴木修さんは「反対」ですが、鈴木康友さんは「推進」?
(鈴木 康友氏)
はい、いいですよ。それで結構です。
(徳増 ないるキャスター)
シズオカンのアンケートで、リニアに関する質問が寄せられています。
30代の女性から「リニアがもたらす静岡県のメリットは何ですか?」
60代女性からは、「リニアを進めるための具体的な考えを知りたい」
リニアの具体的な考えは?
(鈴木 康友氏)
すごいメリットある。いまの東海道新幹線はのぞみが主流。静岡県の主要駅でも、(1時間に)こだま2本、ひかり1本しか止まらない。あとの11本から12本は、全部通過。静岡県の6駅に1本ものぞみは止まらない。リニアができると、のぞみを大幅に吸収していく。東海道新幹線のダイヤがスカスカになる。つまり、ひかり・こだまが増やせる。必ずそうなる。リニアができると、経済的な波及効果がある。メリット増える。特に静岡県は経済波及効果が高い。
(徳増 ないるキャスター)
具体的な考えは?
(鈴木 康友氏)
これは最初から申し上げているように、すでに川勝知事は課題を明らかにした。特に大井川の下流域への水が減量するのではないか、この問題が大きかった。その現実的な解決案が提示された。田代ダム案でかなり進むと思う。
田代ダムの取水を制限することによって、その分大井川の流量が増えるので、工事で減るのを補って全量戻しにするので、かなり具体的な解決策だと思う。1つ1つ詰めていけば、必ず進めていける。水の問題、環境問題と両立させてリニアを推進していくのが、私のスタンス。
(コメンテーター 航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗氏)
リニア開通は静岡県にメリットがあるというが、東京にいる人間という立場で聞きたいのが、知事に当選したと仮定して、いつ開通するか、リニアの工事はどういう状況になったらOKなのか、いつまでに決められるのか?決め
るためのプロセスは?
(鈴木 康友氏)
いろいろなステークホルダーがある。事業主体としてのJR東海、国、大井川流域の市町、住民の皆さん。この中でどういう合意形成のプロセスを作るかは、これからです。今ここではスケジュールをお示しできませんので、早
急に私が知事になればお示ししたい。何よりも住民の皆さんの不安解消が大事なので、コミュニケーションを取りながら、水・環境の問題をご理解いただいた上で、最後は私が決断する、ということだろうと思う。
(コメンテーター 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏)
スピーディにやりたい気持ちはある?
(鈴木 康友氏)
もちろん
(津川 祥吾 アンカー)
今、止まっている課題として、(山梨県境付近の)先進ボーリング調査があるが?
(鈴木 康友氏)
これは進めるべき。まずやってみることが大事。