【隊員殉職ビル火災】静岡市消防局「規範違反だった」と認め…会見を遺族に向けライブ配信した上で謝罪
2022年に静岡市のビル火災で消防士が亡くなりました。これまで、“命綱をつけていなかった”など指摘を受けていた消防局。3月21日「規範違反だった」と認め、遺族に謝罪しました。
(静岡市消防局 池田悦章 消防局長)
「殉職されましたご本人様、ご遺族様には、あらためて心からお詫び申し上げます。大変、申し訳ありませんでした」
遺族に向けてライブ配信された静岡市消防局の会見。池田悦章消防局長と伴野泰造警防部長が深々と頭をさげました。
2022年8月に発生した静岡市葵区呉服町のビル火災では、消火活動中の消防士の男性が死亡しました。事故翌日の会見では…
(静岡市消防局 伴野 泰造 警防部長)
「装備については、特段、不備のあったものはございません」
消火活動について問題はなかったと発言していました。
しかし、2024年2月、市が公表した検証結果では、命綱をつけずに建物に侵入したこと、また出火した場所に背を向けて退出したことなどが規範通りではなかったと指摘されました。
21日の会見では、事故直後の消防局の認識に誤りがあったことを認めました。
(静岡市消防局 池田 悦章 消防局長)
「その時点の情報のみによって消火活動に問題ないと判断、発言したことは事故の重大性、消防局の責任においての認識が不十分だった」
一方、規範が守られなかった理由について問われると…
(静岡市消防局 池田 悦章 消防局長)
「規範が守られていなかった、(活動が)合理的でなかったことが理由で(事故が)起きたと指摘されました。根底に、職員の安全に関する意識のちょっとした差が、差異があったのかなと」
この事故では、現場で活動を指示した小隊長が懲戒処分を受けています。会見では消防局長やほかの幹部の責任についても質問が及びました。
(静岡市消防局 池田 悦章 消防局長)
「組織改革に取り組んでいくのが自分たちの使命。私が消防局長としてリーダーシップをとって、いろいろなかたちで前へ進めていく。二度と起こらないようにするというのが管理監督者の責任の取り方だと思う」
また21日は、静岡市消防局管内の3市2町で作る「消防運営協議会」が開かれ、消防局の組織改革について意見が交わされました。
市は2024年度、消防局に消防長直轄の「消防管理室」を新設すること発表しています。
(静岡市 難波市長)
「もう二度と事故を起こさないこという気持ちで、規範を絶対変えないという話ではなく、合理性があればどんどん変えていく、遺族の方も『組織を変えてほしい』と言っていますから、しっかり心に受け止めて改革をしていく、実効性のある改革が大事たと思います」
静岡市消防局の組織改革はどのように進んでいくのか、注目されます。