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【STOP!食品ロス】三島市で始まったアプリ活用の新サービス「フードシェアリング」の魅力とは(静岡)

2024年10月11日 17:48
【STOP!食品ロス】三島市で始まったアプリ活用の新サービス「フードシェアリング」の魅力とは(静岡)

人気のパンが10個も入って1500円のセットが33%引きの1000円に。この佃煮などの詰め合わせは、定価2700円が何と63%引きで1000円に。

(ユーザー)
「そんなに安くしてもらっていいの?って感じ」

なぜ、こんなに食品を安く買うことができるのでしょうか?「every.Life」は10月から静岡・三島市で始まった注目の新サービス「フードシェアリング」の魅力に迫ります。

三島市東本町にある「カツマタベーカリー」。地元で70年以上愛され続けている老舗の手作りパン屋さんです。店頭で店長が何やらスマホの操作を始めました。

(カツマタベーカリー 勝俣 幸紀 代表)
「きょう売り切りたいパンの情報をUPしてます」

人気パンが10個ほど入ったこのセット。通常1500円で、それでもお得ですが、それがなんと33%引きの1000円で販売するというのです。実は、これ、品質にはもちろん問題はありませんが、消費期限が近づいているため値引きをして売り切ろうとしているのです。

店長がスマホで商品の情報をUPしていたのは“タベスケ”と呼ばれるフードシェアリングサービス。その仕組みは…。まずは、商品を安くして売りたい店とその安くなった商品をお得に買いたい人がそれぞれアプリに登録します。この登録料はどちらも無料。そして、店は、消費期限が近いなど売り切りたい商品があれば、画像や情報をアプリに登録します。ユーザーは、それを見て、欲しい商品があればアプリで購入予約をしたあと、実際にお店に行って直接料金を支払えば商品が受け取れるというものです。三島市では、10月から市が中心となってこのサービスがスタートしましたが、すでに28店舗が登録し、ユーザーも1000人を超えています。実際にサービスを利用した人は。

(ユーザー)
「きょう初めて利用するので、ドキドキしながら来た。とてもお得なので主婦にとってはすごくありがたい」

こちらも“タベスケ”を初めて利用するお客さん。

(ユーザー)
「せっかくおいしいものを作ってくれている中で、私たちもお得においしいものが頂けて、すごくいいサービスだと思う」

(カツマタベーカリー 勝俣 幸紀 代表)
「高校などに購買へ行っていて、ある程度の(量を)作らないといけないので、どうしても売れなかったら残ってしまっていたので、こういうものを待ち望んでいたというか、本当助かる」

三島田町駅の近くにある「戸田塩だっ手羽」もフードシェアリングサービスの利用を始めました。ここでは、戸田塩の作り手でもある向笠さんが、戸田塩を使って作る手羽先のから揚げの専門店で、からあげグランプリの手羽先部門で金賞を受賞するなど人気のお店です。この日の夕方、この店が“タベスケ”に出品したのは、塩とタレが5本ずつ10本のセット。通常1500円のところを20%引きの1200円で登録しました。

(戸田塩だっ手羽 向笠 幸子さん)
「お客さんの反応が多くてびっくり。“タベスケ”で来る客は初めての人が多くて、店を知ってもらうきっかけになる』

このシステムを利用することにより、店のPRや新たな客の獲得、売り上げアップが期待でき、ユーザーもお得に買い物ができて、地域のお店を知るきっかけになるなどお互いにメリットがあります。さらに、今、全国的に問題となっている食品ロスの削減にも貢献することができます。このシステムを開発した担当者は…。

(G-place タベスケ企画チーム 中島 啓介さん)
「導入としては、10月1日時点で全国で31自治体。静岡県では三島市が初の導入事例。市民だけでなく、地域のお店や自治体も、3者全てが協力して食品ロスを減らせる仕組みを作ろうと、開発に至った」

今回、三島市でこのシステム導入を進めたのは、廃棄物対策課の山添豊さんです。

(三島市 廃棄物対策課 山添 豊さん)
「(みしまタベスケは)既にユーザー数が1000人を超えて、100キロ程度は食品ロスが減っている」

実は、三島市の最終処分場は既に限界に近づいていて、食品を含むゴミの減量は待ったなしの課題です。そのため、三島市は2023年の9月から、まだ使える粗大ごみをメルカリで販売する取り組みを始め、1年間で約10トンのゴミを減らし、その売り上げは100万円を超えました。さらに、不用品を集めて市民に無料配布するイベントを開催するなど、ゴミ減量に向け、様々な活動を進める中で、今回の“タベスケ”導入も実現させたのです。

(三島市 廃棄物対策課 山添 豊さん)
「メルカリも食品ロスの“タベスケ”も、ゴミ全体量からすると削減量は微々たるものだが、まずは食品ロスの現状を知ってもらうのが重要。楽しく買って、食品ロスが減ればいいという意識が、どんどん醸成されるといい」

    静岡第一テレビのニュース