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【熱海土石流】「復興」はどこまで進んでいる?「every.しずおか」津川祥吾アンカーが現地取材(静岡)

2024年7月3日 17:25
【熱海土石流】「復興」はどこまで進んでいる?「every.しずおか」津川祥吾アンカーが現地取材(静岡)

静岡・熱海市伊豆山での土石流災害から7月3日で3年。「復興」はどこまで進んでいるのでしょうか、「every.しずおか」アンカーの津川祥吾さんが現状を現地取材しました。

土石流から3年、復興はどこまで進んでいるのか。

(津川 祥吾 アンカー)
「来るのは初めて。昔ここを通ったことはありましたけど」「草が覆ってしまって住宅があったところがわかりにくくなっているので、それだけ時間が経ってしまっているんだなというのは見た目でも感じます」

先週(6月25日)、津川アンカーが伊豆山地区を取材しました。土石流が襲い、土砂に覆われていたこの場所は、現在、逢初川の護岸工事が進められています。家の基礎部分を残して住宅が流された場所には、草が青々と茂っています。

(津川 祥吾 アンカー)
「こんにちは」

被災者の1人、中島秀人さん。伊豆山地区で80年以上続く製麺所を営んでいましたが、土石流により工場は大きな被害を受けました。中島さんの自宅は「警戒区域」に指定され避難生活を余儀なくされました。

(コマツ屋製麺所 中島 秀人さん)
「音はすごかったですよ、完璧に飲み込まれるような音。 もうすごい、普通の音じゃない ですよ。ごおーっていう」

それでも、被災から1年後には別の場所に新しい製麺所が完成し、事業を再開。そして2023年9月、約2年ぶりに「警戒区域」が解除。2024年3月、ようやく自宅に戻ることができました。

(コマツ屋製麺所 中島 秀人さん)
「まだこれ直してもらってそのままなんですよ3年間この板。ボランティアの方につけてもらってそのまま」

熱海市によりますと、避難した132世帯227人のうち、2023年9月に解除された警戒区域の中にある自宅に戻ったのは、6月末時点でわずか22世帯47人。

こうした中、熱海市は、今年度「伊豆山の復旧・復興の加速」を掲げ、事業費として11億円余りを予算に計上。2023年8月には、土石流の起点となった場所に残っていた不安定な盛り土が県の行政代執行により撤去されました。2024年1月からは、市道の工事に着手するなど復興に向け少しずつ歩みを進めています。

なかでも、熱海市が急いでいるのが生活基盤となる道路の整備と逢初川の河川改修です。熱海市は、宅地など一部の用地を買い取る形で伊豆山を流れる逢初川の改修工事を行い、川沿いには道路を再整備する計画です。当初、これらの整備は2024年度までに終える予定でしたが、2024年に入り、用地買収が進まないことなどを理由に、完成は2年先延ばしに。2026年度の工事完了を目指しています。

中島さんは、住民代表として熱海市の復興計画にも携わってきましたが「復興の遅れ」を感じているといいます。

(コマツ屋製麺所 中島 秀人さん)
「3年経って風化していることは間違いないんですよ。もう町じゃないんですよ、ここが」

(津川 祥吾 アンカー)
「ゴールはどこだと思いますか」

(コマツ屋製麺所 中島 秀人さん)
「見えないんですよ、僕もゴールが見えない、自分の中のゴールはありますよ」「ここが動き出してくる、それで町が動いていくということになれば、自分の中での復興だなって思うんです」

かつて製麺所があったこの場所で、中島さんが、いま、取り組んでいることがあります。

(コマツ屋製麺所 中島 秀人さん)
「被災現場でもあるので、ここから何か発信できるんじゃないかと思っていて、熱海の若い方々のリノベーションスクールがあって、ここをその会場として考えてもらって、その若者たちに貸す予定」「10人が100人になって、100人が1000人になってっていうのがすごくすてきだなって思うし」「夢のあることに使えたら最高だなって思っているんですけど」

復興の遅れが指摘される熱海市。

(津川 祥吾 アンカー)
「よろしくお願いします。」

伊豆山の復興担当者に、計画の遅れや課題について聞きました。

(熱海市 観光建設部 程谷 浩成 部長)
Q.河川改修が2024年度中から2年延期になった理由
「大きく理由は2つあって、河川、道路事業両方についてだが、JRをくぐる箇所があるので、そういったJRの協議であるとか、どうしても地権者との用地を買収しないといけないので、用地買収に時間を要しているということで、ことし3月に事業期間を2024年から26年に変更すると発表した」

熱海市は、事業計画の遅れの要因としている「用地買収」について、道路は約7割、河川は約6割まで進んでいるため、これ以上の延期はないといいます。熱海市は、7月にも地区別に説明会を開くなどして説明を続けたいと話しています。

(熱海市 観光建設部 程谷 浩成 部長)
Q.市が考える復興とは
「多くの方に戻っていただけるということが重要だと思っているので、我々としてもできるだけ早く事業を進めて戻っていただける状態にすることが大事だと思っている」

さらに、伊豆山の復興について聞くと。

(熱海市 観光建設部 程谷 浩成 部長)
Q.もう3年かまだ3年かお答えいただけますか
「復興事業としては道半ばではあるが」「2026年度の完成を目指して着実に進めていきたい」

Q.被災者はもう3年経ってしまった、復興が進んでいないと感じていると思うが市としては共感できるか
「河川道路事業については2024年度から2026年度に遅れ…期間を延長しているというところで、決して早く進んでいるわけでないが、2026年度に向けて着実に事業を進めている」

Q.復興を加速、というが
「ことし1月から本格的に工事を行って、現場の方もかなり工事を進めている状況。2026年度までに終わらせることを目標に事業を進めていきたい」

2026年度の工事完了に向け復興事業が加速するのか、市の今後の対応に注目が集まります。

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