静岡市の夏の人気行事 安倍川花火大会 シャトルバスの廃止で観客はどうなる?沿道の商店街は商機となるか?
いよいよ明日20日に迫った静岡市の夏の風物詩、安倍川花火大会。去年はおよそ1万5000発の花火が打ち上げられ,、訪れたおよそ55万人が夜空に上がる大輪の花を楽しみました。
そして、もう一つのお楽しみ。去年に引き続き東京ディズニーリゾートスペシャルドローンショーの開催も決定しました。ことしは、ドローンの数を去年の倍以上となる1500機に増やし、より迫力ある演出となるそうです。スペシャルドローンショー“マジック・イン・ジ・エア”はあす20日、花火打ち上げ前の午後7時半から行われる予定です。
けさ、安倍川沿いの河川敷では…
安倍川花火大会で使用する本部のテントや桟敷席の設営が行われたほか、露店の準備も着々と進められていました。
今回も楽しみが盛りだくさんの安倍川花火ですが、今年は開催前から“ある”問題が浮上。その問題とは…
(安倍川花火大会本部 原田正男 会長)
「今年度は、シャトルバスについては廃止しようという事で、決めたわけなんです」
シャトルバスの運行廃止。去年までバスを運行していたバス会社によりますと、去年のバスの運行台数はおよそ100台で、およそ1万3千人が利用したという事です。
バスの運行取りやめに市民は…
(市民)
「歩いていくとなると、行く人も減ってしまうのではないかなと思います。」
(夫婦)
「バスが無かったら行かないかも。(行くなら)だったら浴衣を着ないとかになるかもしれない」
バスの運行廃止の主な原因は、ドライバーの長時間労働を是正しようと、ドライバーの労働時間に上限が課されたことで生じた、いわゆる「2024年問題」で、ドライバーが確保できなくなってしまったこと。シャトルバスの運行が廃止されたことで、多くの人が、徒歩や自転車で会場へ移動することになります。
歩いて会場へ行くと、果たして、どれくらいの時間がかかるのか?20代の男性記者が、こちらのルートマップに従って、会場まで実際に歩いてみました。
スタートは静岡駅。呉服町通りを通り、静岡市役所前の青葉シンボルロードを通過して静岡伊勢丹を左折。ここからは、しばらくまっすくな道を進みます。
多くの飲食店や映画館などがある「七間町通り」を歩いていくと駒形商店街がある「駒形通り」に入ります。さらに、しばらく進むと「しあわせ通り」に出たところを右折。県地震防災センターを通過すると「本通り」に出て信号を通過。
そして、住宅街を抜けると田町6丁目の信号を右に曲がり、喫茶店を通過したら次は左に曲がります。しばらく進むと、田町小学校と静岡商業高校の間の道を進みゴールの花火会場に到着しました。
ここまでかかった時間は35分!子どもや浴衣を着た女性ならさらに時間がかかると予想されます。
今回参考にした「徒歩ルートマップ」を作成したのは、大会本部です。その狙いは…
(安倍川花火大会本部 原田正男 会長)
「静岡市の市街地をまた一度歩いていただいて、静岡の良さ、街中の良さを散策しながら、会場に来てほしい」
多くの人が花火会場まで移動する途中、商店街に人が訪れることで、周辺地域も活性化できないかと考えたという事です。実際、道中の商店街に立ち寄ってみると楽しいことがたくさんありそうです。
こちらは安倍川花火大会の会場から一番近い商店街「駒形通商店街」。
(店員)
「7月20日の花火の日に、信用金庫の前で抽選会やりますので、よかったら。」
駒形通商店街では、安倍川花火大会に合わせて、きのう18日から、買い物をした客に抽選券を配布しています。抽選で、お得なプレゼントが用意されているそうです。
(コマカツ 黒田 淳 会長)
「歩く人が増えて、こちらに流れてくれればありがたい。各店舗でいろんなことをして呼び込もうとしている」
徒歩で会場に向かう人にお店に寄ってもらおうと、準備にも熱が入ります。こちらは、県内産の野菜を使用した手作りの弁当や惣菜など、100種類以上の豊富な品揃える人気の惣菜店。明日20日は、通常よりも1.5倍に商品を増やして対応するといいます。
(総菜屋あお木 青木寛治 社長)
「一番動くのがオードブルとか、おつまみ系。そういった物を増やしていく感じで。バスが出ないと言っているから、例年よりは(客が)多いんじゃないかなと期待している」
また、バスの代わりの移動手段としてもう一つ注目されるのが、自転車。
静岡市内では、官民連携のシェアサイクルサービス「PULCLE(パルクル)」が4年前に誕生し、地域の新たな交通手段となっています。料金は15分100円からで12時間借りても1500円と経済的。明日20日の花火大会では、会場近くの田町小学校のグラウンドに専用駐輪場が設けられ、およそ200台が駐輪できます。
(TOKAIケーブルネットワーク 次世代成長戦略本部 企画部 吉松寛昭さん)
「去年も一年の中で一番多く自転車が使われた日になりましたので、そういう意味でも今年も多くの方にご利用いただけるように準備してきました。7月から100台追加して、現在700台になりましたので、ちょうど700台になったタイミングで安倍川花火大会も控えておりますので、一人でも多くの方にご利用いただけるとうれしい」
また、あす20日は、多くの人の利用が予想されるため、静岡駅北口のステーションに通常よりも多くの自転車を配置するという事です。
静岡市の夏のビッグイベント安倍川花火大会。静岡市内を徒歩や自転車で散策することで、花火のほかに新たな楽しみが発見できるかもしれません。