北海道新幹線の札幌延伸を国などが２０３０年度末から延期する方向で調整していることをうけて、札幌市の秋元市長は「再開発にも影響がある」と危機感をあらわにしました。

（秋元札幌市長）「マチづくりを含めていろいろな影響が大きい。２０３０年度末を目標の中にいろいろなことを進めている。しっかりと説明をいただかないと私どもも納得できない」

秋元市長は会見でこのように述べ、暗雲が漂う新幹線の行く末に懸念を示しました。

工事を進める鉄道・運輸機構と国土交通省は、２０３０年度末としている札幌延伸の時期を延期する方向で最終調整しています。

工事を巡ってはこれまでに、トンネルの掘削中に大きな岩が見つかって中断するなど、最大４年の遅れが出ていますが、国などは延期について明言を避けてきました。

札幌延伸と同時に新幹線の「乗り入れ」を目指しているのが函館市です。

費用面・技術面の課題が指摘される中で、札幌延伸が延期となれば一定の「ゆとり」が生まれることになります。

（大泉函館市長）「１日も早く札幌延伸ををしてほしいという立場は変わらない。（開業時期が）もし動くようなことがあっても札幌開業と同時が基本線になる」

札幌延伸に関わってきた国会議員はＳＴＶの取材に対して…

（道内選出国会議員）「延期は数年規模とみている。事業費のさらなる増加が懸念されるが、現時点で工事の遅れを取り戻す打開策は乏しい」

道内経済にも影響を及ぼす札幌延伸を延期する動き。

国などは新たな開業時期を今後検討する予定です。