×

気象庁が巨大地震に注意を呼びかけ “南海トラフ地震” 新潟県へも及ぶ影響とは? 「日ごろからの備えが重要」《新潟》 

2024年8月9日 15:21
気象庁が巨大地震に注意を呼びかけ “南海トラフ地震” 新潟県へも及ぶ影響とは? 「日ごろからの備えが重要」《新潟》 

8月8日午後4時43分頃に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。

気象庁は、この地震と南海トラフ地震との関連性について検討した結果、南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられるとして8日夜、初めて、南海トラフ巨大地震に注意を呼びかける臨時情報を発表しました。

「南海トラフ地震」が発生した場合、県内へどのような影響があるのか……。

静岡県の駿河湾から九州の日向灘にかけての海底の溝、「南海トラフ」で発生する地震。
最悪の場合、死者は30万人を超えると国は想定しています。

南海トラフ地震が発生した際、新潟県内にはどんな影響があるのか、新潟大学災害・復興科学研究所の所長、卜部厚志教授に聞きました。

取材したのは2023年8月。ちょうど1年前の夏でした。卜部教授は県内に及ぶ影響について次のように話していました。

■物流への影響の可能性

《新潟大学災害・復興科学研究所所長 卜部厚志教授》
「直接的には距離が離れていますので、震度はそんなに高くならない。新潟県内のインフラはまだ大丈夫だと思います」

国の想定や卜部教授によると、県内で観測される最大震度は「4」程度で、建物などへの被害はほとんどありません。一方で、卜部教授は次のような可能性を指摘します。

《新潟大学災害・復興科学研究所所長 卜部厚志教授》
「ガソリンの製油施設は太平洋沿岸に集中しています。そこから日本中に船で分配してきたり、物流の中心のところが直接的に被害を受けるので、ガソリンや軽油が手に入りにくくなって、物流がすごくゆっくりになる可能性があります」

■日頃からの備えを

太平洋側に集中するガソリンの製油所が被害を受けることで物流が滞る可能性があるといいます。東日本大震災の際は物流が止まったことで、県内の店でも食料品や日用品が品不足になるなど影響が出ました。

《新潟大学災害・復興科学研究所所長 卜部厚志教授》
「物流が止まるというか、すごくスローになるので普段のようにスーパーに行ってもモノがない」

新潟地震をはじめ、中越地震や中越沖地震、能登半島地震など大きな災害を経験した新潟県。

災害の専門家はあらためて日ごろからの備えが重要だと話します。

《新潟大学災害・復興科学研究所所長 卜部厚志教授》
「個人とするとですね、新潟県内あるいは近県で地震が起こった時と同じような食べ物や生活用品のストックをしておく。バックアップできる側に回る方は、自分たちでちゃんと自活できるっていう体制の整備、心構えが必要だと思います」

(2023年9月1日放送「夕方ワイド新潟一番」より抜粋)

    テレビ新潟のニュース