<初の南海トラフ「巨大地震注意」発表>九州・四国の漁師から心配の声 「まだ子どもが小さいもんで…」(宮城・気仙沼港)
8日、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震で初めて南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」が発表されたことを受けて、宮城・気仙沼港に入港した九州や四国の漁師からは心配する声が聞かれた。
8日の地震では、宮崎・日南市で震度6弱を観測。
南海トラフ地震の想定震源域で新たな大規模地震が発生する可能性が、普段に比べて相対的に高まったとして、8日夜 気象庁は「巨大地震注意」情報を発表した。
この地震を受けて、気仙沼港に入港した宮崎県や高知県のカツオ船の漁師たちからは今後の地震発生を心配する声が聞かれた。
宮崎船籍の漁師
「僕たちはあまり地元にいないので、家族だけですかね。やっぱり心配なのは、家が崩壊したりしなければいいなと思っています」
高知船籍の漁師
「家族からメールが来ました。怖いみたいなメールが来ていました。まだ子どもが小さいもんで、地震が来たら津波が心配です」
地元を長期間離れる漁師たちからは、家族を心配する声が聞かれた。
一方、今回の地震について、東北大学で津波工学を専門とする今村文彦教授は、どのように見ているのか。
今村文彦教授
「今回は宮崎の日向灘で起きたんですけれど、まさに南海トラフが懸念されている大地震の西側なんです。そういうところで前兆的な地震が起きると、今後さらに大きな地震の可能性がある」
駿河湾から日向灘沖を震源域として想定する「南海トラフ地震臨時情報」。
一方、北海道東北では、日本海溝・千島海溝沿いでマグニチュード7以上の地震が起きた場合、その後1週間注意を呼びかける「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表される。
今村文彦教授
「日本は地震、津波、火山等自然災害が多い地域になります。日常での備えというのが、いざというときに役に立ちますし、確実に被害を軽減できますので、是非意識を持っていただいて実際に備えるという行動をしていただきたい」
今村教授は、「発表されれば、必ず地震が起きるというものではない」とした上で、すぐ逃げだせるような防災バッグの準備や家具の固定など、いざという時のための準備が重要としている。