高級魚・ノドグロ養殖へ 約2万尾の稚魚を海へ放流 糸魚川市の海洋高校と近畿大学が共同研究 《新潟》
糸魚川市の海洋高校はノドグロの養殖技術を高めようと近畿大学と共同で研究に取り組んでいて、約2万尾の稚魚を海へ放流しました。
水槽の中で元気に泳ぐ小さな魚。高級魚・ノドグロの稚魚です。
水産を専門的に学ぶ糸魚川市の海洋高校はノドグロの養殖技術を高めようと2018年から近畿大学と共同で研究に取り組んでいます。
「白身のトロ」とも呼ばれ、新潟を代表する高級魚 ノドグロ。正式名称は「アカムツ」ですが、口の中が黒いことから「ノドグロ」と呼ばれています。
県は高規格のノドグロを”美宝”と名付けブランド化を進めています。
去年9月に上越沖で水揚げしたノドグロから採卵し人工受精。半年で5センチほどまでに育ちました。
18日は育てた稚魚を海に放流する日。ストレスに弱く、繊細なノドグロを水槽から丁寧に取り出していきます。
ノドグロの稚魚の放流は去年から始まり、ことしで2年目。生徒も船に乗り込み沖へと出航です。放流場所は能生漁港から20分ほどの沖合。ホースを使って2万尾の稚魚を海へ放流していきます。
水深200メートルに生息するノドグロの生態は謎に包まれていて、現時点で養殖した9割がオスになってしまうといいます。
〈近畿大学 家戸敬太郎教授〉
「完全養殖という卵から育てた魚から卵を採ることがまだできていないんですね。原因を究明しながら効率よくメスを育てて卵を採るところへつなげていきたいなと思って研究しています」
〈海洋高校の生徒〉
「大きく育ってもらって、糸魚川市民とかそのほかの方々にも大きくなったアカムツ(ノドグロ)を食べてほしいなと思います」
養殖することでノドグロを身近な存在に。学生たちの挑戦はこれからも続きます。