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【地震1週間】新潟県にも津波 堤防も越え民家へ 間近で見た住民が語る恐怖 能登からは漁船漂着も《新潟》

2024年1月8日 11:00
【地震1週間】新潟県にも津波 堤防も越え民家へ 間近で見た住民が語る恐怖 能登からは漁船漂着も《新潟》
津波
今回の能登半島地震で発生した津波は新潟県内にも到達しました。間近に迫った津波、住民が語る津波の恐怖とは。そして、大きな威力を持つ津波に対し私たちはどう行動すればいいのか、あらためて検証します。

「これ津波だよ、やばい」

「お、これそうだ、津波だ、津波だよ」

1月1日、地震発生の直後、津波警報が発令されました。

「やばい、やばい」

海から川へ押し寄せる津波とみられる波。

「いや、これ、逃げた方がいい」

撮影されたのは、新潟県で最も西に位置する糸魚川市。住民たちは慌てて避難します。

撮影した男性は「恐怖でした」

こちらの映像を撮影した17歳の男性は当時の様子をこう振り返ります。

「家の祖父母の実家のすぐ裏に自転車道路というのがあって、そこにすぐ登った感じです。初めて津波を見たのでまず驚いたのと恐怖でしたね」

海岸はガレキなどが散乱

一夜明け。隣りの上越市・郷津海岸では浜辺にがれきなどが散乱していました。土産物店には押し流された大型の厨房機器などが。津波の威力を物語っていました。

上越市を襲った津波

地震の発生当日、その上越市を襲った津波。

「越えた」「津波来てるよ!」

津波は防波堤を越えました。

そして川へ。

上越市港町では関川河口から遡上しました。

堤防を越える津波

別の角度からとらえた映像では、津波が勢いよく堤防をこえる様子が。

大石一夫さん
「一発目がどんと上がったから、来たなと思って」

上越市港町で海の近くに住む大石一夫さんです。

「怖いものだと思った」

大石さんは当時、自宅の近くで津波に襲われました。ケガはなかったといいます。

大石一夫さん
「うち帰らなきゃと思ったらその一発目の波がここ来た時に、ここからそこまで歩いて行けなかった。それくらいの勢いがあった。波が巻き込んで、上がってくるから、怖いもんだなと思いました」

一方、上越市港町に住む安田みさこさん。自宅は津波の映像が撮影された場所から700メートル離れていて、自宅前を津波が押し寄せたといいます。安田さんは当時、すぐに高台に避難していてケガはありませんでした。

避難先から戻ると

しかし翌日、戻ってくると。

安田みさこさん
「朝、見に来たら唖然。こんなになってると思わん」

玄関のガラスは割れていました。津波に押し流された車が玄関に衝突、壊れたドアから津波が流れこんだといいます。翌日は友人や家族10人がかりで復旧作業に追われました。

最大で40センチの津波が襲来

今回、最大で柏崎市鯨波で40センチ、新潟市と佐渡市鷲崎で30センチの津波を観測しています。

その威力とは

津波。その威力はどのようなものなのか。こちらは過去に取材した津波の実験の様子です。

記者リポート
「おおっ、これ相当圧力を感じます。立っていられませんね。もう足を前に出すのができないくらいです。いやあ本当に改めて数十センチの波なんですけれども、その強さというか怖いなと感じましたね」

能登半島から漁船が8隻漂着

一方、糸魚川市の海岸。漁船が傾いた状態で砂浜に乗り上げています。上越海上保安署によりますと4日、近くの住民から「船が漂着している」と連絡がありました。調べたところ、糸魚川市で3隻、上越市で5隻が確認され、いずれも長さがおよそ10メートルの漁船でした。船の登録番号などによると、能登半島、珠洲市の飯田湾付近から流されたもので津波の影響とみられています。

近くに住む人
「すごさが分かりますね。津波でやられたもんね」
「海岸へ下りる道があるが、その中間くらいまで波がきている。かなりの波だった」

新幹線並みスピード 上越まで20分で到達

「地震の規模からすると、さらに大きな津波の発生は十分にあったと思います」

こう話すのは、河川工学を専門とする新潟大学災害・復興科学研究所の安田浩保研究教授です。

新潟大学・安田浩保研究教授
「地震発生から、上越市関川の場合だと20分前後で津波が到達しています。100キロほど震源から離れているにも関わらず20分ですから。新幹線と同程度と大体考えてもらって差し支えない速度になります」

上越から粟島まで水位の変化は半日続いた

安田教授が河口付近に設置された水位計を分析したところ、上越市関川から新潟県北部に浮かぶ粟島まで水位の変化があり、その変化は半日程度続いていたことがわかったといいます。

新潟大学・安田浩保研究教授
「新潟県の沿岸のどこかで、今回のような断層由来とした地震が発生した場合は、さらに地震発生から短時間で津波が到達した可能性があるということで、太平洋側の南海トラフですとか今まで注目されているけども、日本海側も警戒に値する場所だと」

今回、上越市など各地で海水が川をさかのぼる様子が確認されました。警戒が必要なのは沿岸だけではないと指摘します。

「沿岸部だけではない」「早い避難を」

新潟大学・安田浩保研究教授
「新潟県は低い土地が多くて、低い土地の中の川沿いにも津波がさかのぼって、さかのぼった津波が川沿いから街にあふれることが過去にもありましたし、十分予想される。津波の進む速度は非常に速くて、早期の避難が重要だったということが改めて、実例からわかってきました」

津波警報でとるべき行動

今回、新潟県には「津波警報」が発表されました。とるべき行動として、高台や避難ビルにただちに避難するとされています。

なるべく高い所に逃げる

逃げる先は「より高く」です。こちらのマークは「津波避難ビル」です。3階以上の高さがあり多くの人が避難できるスペースのある学校やビル、マンションなどが指定されています。

今回、4階の避難所や屋上に避難する人も

リポート
「津波からの避難ということで、こちらは4階以上が避難所になっています」

今回の地震。新潟市中央区では、高校の校舎の4階以上が避難所となり、家族連れなどが避難していました。

また、上越市では商業施設の屋上に避難する人の姿がありました。

「日頃から準備が必要と感じた」

糸魚川市で津波を撮影した男性は日頃からの準備が必要だと感じたといいます。

男性
「本当に避難しなきゃいけないとなった時用に防災バッグとかそういう準備とか、必要なんだなと感じました」

災害の発生が夜中や吹雪などの場合の避難は、より困難になります。日頃からの備えが重要です。


「夕方ワイド新潟一番」2024年1月5日放送などより

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