【地震から3週間】地震被害で貸家の退去を余儀なくされた住民「人生全部変わった」 県内で住宅被害7000棟超える 《新潟》
元日の地震から1月22日で3週間。被害を受けた住宅は県内で7000棟を超えました。液状化の被害が相次いだ新潟市西区では貸家の大家と退去を余儀なくされた住民がそれぞれの苦しみを抱えていました。
被災地は22日も復旧作業に追われていました。
県内で被害を受けた住宅は午後1時現在、7289棟にのぼり、その半数以上が新潟市内の建物となっています。り災証明書の申請は新潟市で9600件を超えました。
液状化の影響で被害が相次いだ西区。
工事中のこちらの住宅は貸家…
大家の女性によると、建物自体が傾き、排水もできなくなったため住民は退去を決めたといいます。
〈大家は〉
「(住民は)すごく居たいと言ってくださってもしかしたら住めるかもと思って早急に工事かかってもらったんですけど、思いのほか工事が長引いちゃって泣く泣く出ていかれたので、申し訳ないなと思って」
貸家はほかにも…
女性は西区で計11棟の家を貸していましたが、そのうち9棟は被害が大きくとり壊すことを決めたといいます。
〈大家は〉
「皆様に1軒1軒説明させていただいて、本当心苦しいです。頭がはげそうになる。心がいたいです」
こちらは貸家の被害状況…
電柱が屋根に倒れかかり、地面は水浸しになりました。
この写真を撮影した住民の長谷川伸二さんです。
〈長谷川伸二さん〉
「(電柱は)液状化でバタンっていうのじゃないんですよ。徐々に落ちたから20~30分かけて倒れてきたのかな」
長谷川さんは自宅と作業場の2棟を借り、歯のブリッジなどを作る歯科技工の仕事を30年以上続けてきました。しかし、この被害で退去を余儀なくされました。まだ新しい家は見つかっていません。
〈長谷川伸二さん〉
「これが潮時かなっていうか仕事の方も閉じなきゃいけなくなるのかなって。天災はしょうがないけど天災で片付けられない。人生全部変わっちゃったような感じ」
大家の女性も頭を抱えています。
〈大家は〉
「これを壊す云々ってなると私たちも資金面もどうする?って感じです。主人も私も年金(生活)で、皆さんから入っていただいて生活がなんとかっていう感じだったんですけど」
そんな苦しい状況の中でも救われた出来事がありました。
ボランティアが雪の中、駆け付けてくれたのです。
〈大家は〉
「何があるかわからないから、その日その日大事に生きてやっぱりみんな助け合いが必要だし、本当に助けられた。ボランティアの方に。どうしてなんて言ってもしょうがないので、前を向いていくしかないよねって言ってるんですけど」
地震から3週間…被災地は少しずつ前を向こうとしています。