来年3月で分べん休止へ 村上総合病院「経営改善のため」 少子化により産科1億円以上の赤字 《新潟》
来年3月で分べんの取り扱いを休止すると発表したJA新潟厚生連の村上総合病院が会見を開きました。少子化により1億円以上の赤字を生み、経営改善のためと説明しました。
〈村上総合病院 杉谷想一 病院長〉
「このような結果になったことを住民の皆様にはおわびしたいと思います」
村上総合病院は11月14日、来年3月から分べんの取り扱いを休止すると発表しました。
休止の背景にあるのが、病院を運営するJA新潟厚生連の経営難です。
厚生連は県内で11の病院を運営していますが、全体で50億円から70億円の赤字が見込まれ、経営改善のため医師や看護師のボーナスを減らすことを検討しています。
分べんは麻酔科や小児科などとチームで取り組むため、人件費の負担が大きくさらに、少子化により分べんの件数が3年前と比べて半減し、産科は年間1億円以上の赤字を生んでいたということです。
〈村上総合病院 杉谷想一 病院長〉
「昨今の働き方改革で緊急時に対応できる麻酔科、小児科、産科に加えて分べんを維持するためには原則、当院では8名の助産師さんが必要になります。これだけの人数、それから設備を維持しつつ緊急対応するということになると、年間で1億以上は最低維持費だけでかかる」
村上市の高橋邦芳市長は「公的病院への支援を一自治体で実施することは不可能」として、国や県などに診療報酬体系の見直しを要請しています。