中国当局“不満抱える8つのタイプ”住民の管理強化へ…“暴走車”事件受け
今月11日、中国で男が車を暴走させ35人が死亡した事件を受け、地元当局が“生活に不満を抱える人”を管理するよう指示したと報じられました。当局が探し出すよう指定した“8つのタイプ”とは…。
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“暴走車”によって奪われた35人の命。
(中国SNSの映像より)
「助けて!こっち!早く!」
「なんてこと…」
運転していたのは62歳の男。中国・広東省で起きた、無差別とも思える暴走事件の動機は、なんとも身勝手で…
地元警察
「(男が)離婚後の財産分与について、不満を抱いたことが原因だと判断した」
多くの住民が失意に沈む中、明らかになったのが、地元当局が進める新たな“治安対策”です。
中国南部に位置する広東省。人口は約1億3000万人と、日本全体とほぼ変わらない人数が生活していますが、香港メディアによると、広東省政府は、この住民から“8つのタイプ”に該当する人を探し出し、管理を強化するというのです。
その“8つのタイプ”は次の通り。
1.投資に失敗した人
2.職を失った人
3.人生で失意に陥った人
4.男女関係で失意に陥った人
5.人間関係で不和を抱える人
6.精神的なバランスを失った人
7.精神状態が正常でない人
8.子どものころ不遇だった人
これらに該当するとされた人の管理を強化することで、同様の事件が起きることを防ぐ狙いがあるとみられます。
きっかけは習近平国家主席による“お達し”です。
中国国営テレビ(“暴走事件”の翌日)
「人々の命の安全と社会の安定のために、全力を尽くすべきである」
個別の事件に対しては、異例となる“重要指示”が発表されていました。
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今年9月には日本人の男子児童が男に刺され亡くなるなど、無差別とみられる事件が相次ぎ中国政府は神経をとがらせているのです。
こうした事件の背景には、景気の低迷で国民の間に不満が高まっていることがあると指摘されていますが、今回、広東省が打ち出したのは、経済的な支援ではなく、いわば“国民の統制”。どう受け止められているのか中国のSNSを見てみると…
森葉月記者・NNN北京
「国民の統制に関する記事なんですが、コメントが削除されています」
“人々の安全を守る”という旗印のもと、新たに打ち出された対策ですが、懸念も広がっています。