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【まさか】津波で能登半島から流された漁船 新潟県に漂着 持ち主見つかる 漁業再開できるか岐路に立つ《新潟》

2024年1月20日 10:31
【まさか】津波で能登半島から流された漁船 新潟県に漂着 持ち主見つかる 漁業再開できるか岐路に立つ《新潟》

津波により、能登半島から流されたとみられる漁船が糸魚川市や上越市の海岸で見つかっています。地震から4日後、持ち主が見つかりましたが漁業を再開できるかどうかの岐路に立たされています。

津波が堤防を乗り越えてきた

「あれ、2mくらいの堤防が。あの堤防を津波が乗り越えてきた」

石川県珠洲市の漁師、木下太助さんです。

地震では大丈夫だったが

膝の悪い妻のためにリフォームした自宅は津波で大きな被害を受けました。

木下太助さん
「みんな津波でこういう状態になったんです。地震では大丈夫だったんですけど。言葉にならん。命があっただけ良かった」

そして案内してくれた港には。

転覆したままの船が残された港

リポート
「地震発生から2週間以上が経った今も、港には津波で転覆したままの船が残されています」

木下さんは津波警報の解除を待って港の様子を見に来ました。目にしたのは転覆したいくつもの漁船です。

木下太助さん
「奥に浮いているうちの左側の小さいほうが自分のだと思う。もうロープがこんな状態でロープが切れて自分の船が流れていった」

ロープがちぎれ、船は流される

所有する2そうのうち1そうは転覆。もう1そうはロープがちぎれ、津波で流されてしまいました。自宅も被害にあったため新潟県上越市に住む長男の家に避難していたところ地震から4日後、“思わぬ連絡”がありました。

思わぬ連絡「船が糸魚川に」

木下太助さん
「まさかって、息子から写真を送ってもらったんですけど…」

木下さんの漁船は直線距離で約77キロ離れた糸魚川市の浜辺で見つかったというのです。上越市に避難していた木下さんを追いかけるように新潟県に漂着していた“相棒”。

「もうびっくり…涙が出ました」  

木下さん
「もうびっくりで!こんな形で流れてつくもんかなと自分でもちょっと信用できない。もう…本当に涙がでました」

糸魚川市や上越市の海沿いでは木下さんの漁船以外にも漂着が確認されました。木下さんの船は、地元の漁師に協力してもらい1月10日に陸に引き上げたということです。

“船の魂“は生きていた

上越漁業協同組合 磯谷光一組合長
「ちょうど、この波のある、ここら辺ですね。波で段々そっちにいって、その川の向こう側に着いたという感じ。まだ船が傷んでいなかった、”船の魂”が生きているので助けなければいけない。奇跡ですよね。ほかの船も来たけれどほとんどダメですから」

上越市から珠洲市に戻った木下さん。集会所にテントを持ち込み避難生活を送っています。例年なら、1月はタラ漁で大忙しの時期です。船が見つかった一方、港の被害は大きく、20歳から始めた漁師の仕事を今後も続けるか迷っているといいます。

漁師の仕事を続けるか迷う

木下太助さん
「やぁー…これ、いつ復旧するんかね、これ…。能登が全滅状態って感じでちょっとなかなか今後どういう風になるんやこれ。自分のパートナーも今後廃業宣言されていますしね。どうしようか…どうしようか…うん…」

地元漁協の協力のもと、漁船はしばらく新潟県内に置かせてもらうということです。


2024年1月17日「夕方ワイド新潟一番放送」より

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