市が負担した生活保護受給者の治療費や食費 もう一方の事故当事者に支払い命じる 大分
自転車同士の交通事故を巡り、生活保護受給者の治療費などを負担した大分市が、もう一方の事故の当事者に対し支払いを求めた裁判で、大分地裁は市に損害賠償の請求権を認め被告に対しおよそ160万円の支払いを命じました。
この事故は2017年、大分県大分市中央町の交差点で自転車に乗って信号待ちをしていた男性が、右側から来た自転車と衝突し首にけがをして入院したものです。
男性は大分市の生活保護を受けていたため、市がけがの治療費と食費およそ460万円を負担しました。
裁判では市がもう一方の事故の当事者を相手取り、治療費などのうち事故の過失割合に応じておよそ230万円を支払うよう求めていました。
28日の判決言い渡しで、大分地裁はけがをした男性にも一定の過失を認めた上で市には生活保護法に基づき損害賠償請求権があるとして、被告に対しおよそ160万円の支払いを命じました。
高額な支払いを求められる可能性がある自転車の事故、大分県警によりますと2023年、大分県内では自転車が絡む事故が302件発生していて亡くなった人は1人、けがをした人は294人となっています。
このうち、高校生以下がおよそ4割を占めているということです。
また、事故の内容については自転車同士の事故を含む、対車両の事故が291件と全体の9割以上を占めています。
中でも、今回のケースのような出合い頭による事故が半数以上に上っているということです。
自転車に乗る時は改めて十分な安全確認が必要です。