変わるバレンタイン「好きな相手に」はわずか5% 原料高騰の影響も…人気チョコ専門店が閉店決断 大分
2月14日はバレンタインデーです。お菓子メーカーのロッテの調査によりますと、「バレンタインにチョコを渡したい相手は?」という質問に対し、「家族」と答えた人が最も多くおよそ60%。「自分」という回答がおよそ30%で、「好きな相手」はわずか5%でした。
バレンタインの位置付けも時代とともに変わりつつあるのかもしれません。こうした中で迎える2025年のバレンタイン商戦ですが、物価高の影響が出ています。取材しました。
1月16日からバレンタインの特設コーナーを設けていて、例年人気の有名ブランドに加え、2025年初登場のブランドなど、バラエティに富んだおよそ1000点の商品を取りそろえています。
◆トキハ本店食品担当 松木ゆいさん
「大切な人と一緒に食べるチョコレートだったり、 自分へのご褒美チョコレート(を買う人)が多い」
本格化している2025年のバレンタイン商戦ですが、ここにも物価高の影響が…チョコレートの原料であるカカオの価格が高騰していて、販売価格は以前よりも10%ほど上がっているそうです。ただ、物価高の中でも、売り場は連日にぎわっていて、すでに売り切れとなった商品もあるということです。
一方、こちらは大分市今津留のチョコレートの専門店です。商品は全て店主の大沢利夫さん(77)の手作りです。
◆ボンショコラリウ店主・大沢利夫さん
「チョコレートはすごく好きなので、 チョコレート専門店だったらやってもいいかなと」
市内の老舗洋菓子店で生まれ育った大沢さんは自身もお菓子作りの道へ。
チョコレートの本場・ヨーロッパの味に魅せられ、その味を大分の人たちに伝えようを55歳の時に店を開きました。
◆ボンショコラリウ店主・大沢利夫さん
「ほとんど(価格は)変えていない。大分の人に本当のおいしいチョコレートを食べてもらうというのが基本だった」
妻の宇佐恵さん(73)とともに22年、ほとんど値上げはせずに店を続けてきましたが…
◆妻・大沢宇佐恵さん
「今のようにチョコレートの価格が上がってくると、どうしても値上げせざるを得ない状況になってきた。主人の年齢も考えたら潮時かなと」
3月での閉店を決断。
ここ数年の原材料費の高騰が著しく、今の価格での商品の提供が難しくなり、自分たちの年齢も考慮して決めたといいます。もうすぐ食べられなくなるチョコレートを求めて、店には連日、多くのお客さんが訪れています。
◆ボンショコラリウ店主・大沢利夫さん
「いっぱい来てくれているので、 なるべく皆さんに提供できるように一生懸命作っている」
◆妻・大沢宇佐恵さん
「主人のチョコレートが皆さんの中に残っていくというのが、この22年が有意義だったと思う」
チョコレートにも物価高の影響が見られる中、「ボンショコラリウ」は来週、最後のバレンタインデーを迎え、3月9日、その歴史に幕を閉じます。