【特集】創業95年 今年6月に閉業の銭湯「桑の湯」12月リニューアルオープン 店長は26歳「地域に愛される銭湯」目指し奮闘中①
今年6月、惜しまれつつ95年の歴史に幕を閉じた塩尻市の銭湯。一度は灯が消えたものの、12月、リニューアルオープンします。
手掛けるのは26歳の若手店長。再び「地域に愛される銭湯」を目指し奮闘しています。
温かな明かりに包まれた入口。
その先には…本や漫画がずらりと並んでいます。
桑の湯・相良政之店長(26)
「0歳から100歳まで全員に楽しんでいただける”銭湯”になったと思うので」
実はここ、一度は幕を下ろした創業95年の老舗銭湯です。
26歳の相良政之さんがその歴史を受け継ぎ、12月30日、リニューアルオープンします。
1929年=昭和4年創業、塩尻市唯一の銭湯、「桑の湯」。
こだわりの「まき」でたくお湯は多くの人の体と心を温めてきました。
客
「きのこの話がでるけどどうだね今年は」
泉さん
「聞かねえし 見ないし食べねえし」
番台では常連客との会話もはずみました。
4代にわたって愛されてきた桑の湯でしたが…。
桑の湯 4代目 桑澤弘幸さん
「体力があればまだ続けたいなと思うんですけどここで区切って閉店したいと思います」
4代目の桑澤弘幸さんと母の節代さんは老朽化や体力の限界を理由に銭湯をたたむことを決断。今年6月、その歴史に幕を閉じました。
閉店を惜しむ声が相次ぐ中、まちづくり事業に取り組む地元企業が後継者を募集することを提案。
5社が名乗りを上げる中、今年9月、桑澤さんが後継者に選んだのが、全国各地で銭湯の再生事業を手掛ける「ニコニコ温泉」でした。
ニコニコ温泉・相良政之さん
「大事に96年目97年目続けていければと思います」
桑の湯4代目・桑澤弘幸さん
「憩いの場とか、癒しの空間とか、それでこの時代にあったものを作っていただいて。このまま任せたいなと思っています!」
跡継ぎ決定から1か月半後…。
桑澤さん
「こんな感じで毎日火をつけていました」
桑の湯の機械室には桑澤さんと相良さんの姿がありました。
この日は、お湯を沸かす手順の引き継ぎです。
桑澤さん
「くぎが壁に当たらないようにくべていました」
相良さん
「それは長持ちさせる秘訣ですね」
桑澤さんが開店の4時間前から閉店まで、日々、大切に守り続けてきた”まきで沸かすお湯”。
桑澤さん
「多い時は1時間に7~8回(まきを)くべているときもあれば」
相良さん
「今回のなんか改装のテーマって、やりながら桑の湯の良さを活かすっていう、良さを 磨くみたいなのが結構テーマの1つかなと思ってて。割と象徴的なものは変えないようにしてるんですよ。薪で沸かすってこともそうです」
お湯のタンクや、ろ過機の設備についても学びます。
相良さん
「え~おもしろい、めっちゃテンションあがる」
お風呂に入ることが大好きでかつては、会社員の傍ら、銭湯のWEBメディアを作っていたという相良さん。
それがニコニコ温泉の社長の目に留まったことがきっかけで6年前に転職しました。
相良さん
「前の仕事がエンジニアだったんですけど、東京、立川 にあった銭湯によく行ってて。500円でこんなに幸せになれるんだと。そっから銭湯好きになって」
相良さんはこれまで、東京、大阪の2店舗で銭湯のリニューアルを手がけてきましたが地方は、今回が初めてです。
相良さん
「だいぶ環境違うので、徒歩15分の人口が、東京の店は12万人いるが、こっちは8000人。もちろん利益を出さないとずっと続けていけないので、 そう思ったら今までの4倍から5倍の客数は取らなきゃいけない」
果たしてその戦略とは?
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