×

御嶽山噴火災害巡り国と県に損害賠償求めた控訴審判決 東京高裁は原告側の請求を棄却した一審判決を支持し控訴を棄却【長野】

2024年10月21日 20:16
御嶽山噴火災害巡り国と県に損害賠償求めた控訴審判決 東京高裁は原告側の請求を棄却した一審判決を支持し控訴を棄却【長野】

10年前、死者58人、行方不明者5人を出し戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火。
気象庁が噴火警戒レベルの引き上げを怠ったとして遺族などが国と県に損害賠償を求めた裁判の控訴審判決で東京高裁は21日、原告側の請求を棄却した一審判決を支持し、控訴を棄却しました。

この裁判は、10年前の御嶽山噴火の被災者遺族など合わせて32人が国と県を相手取り、損害賠償を求めているものです。
一審の長野地裁松本支部判決では、噴火警戒レベルを上げずに漫然とレベル1のまま据え置いた気象庁の判断は違法と認めたものの、レベル引き上げ後、自治体の立ち入り規制に時間がかかるため、被害との因果関係を否定し、原告側の請求を棄却していました。

21日の判決で、東京高裁は原告側の控訴を棄却。また、一審判決の中で違法と認めていた気象庁の判断について、高裁では「著しく合理性を欠くということはできない」とし、「違法であるとも言えない」と覆しました。

原告側弁護団
「一審判決の考え方から後退したことこれを残念だと思いますね」
噴火で娘を亡くした長山幸嗣さん
「一審に比べると本当にあっさりしすぎて何か切り捨てられたような感じ方をしまして非常に憤りを感じております」

一方、阿部知事は「御遺族の皆様の思いにも寄り添いながら、火山防災対策の強化などに取り組んでまいります」とコメントしてます。

原告側は東京高裁の判決を不服として、上告も検討しています。

    テレビ信州のニュース