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今年6月に閉業 塩尻市唯一の銭湯「桑の湯」 特別な写真展始まる 写真がつなぐ桑の湯の歴史 後継者探し続く 5年10年、20年先まで続けてくれる人を…

2024年8月30日 21:10
今年6月に閉業 塩尻市唯一の銭湯「桑の湯」 特別な写真展始まる 写真がつなぐ桑の湯の歴史 後継者探し続く 5年10年、20年先まで続けてくれる人を…

今年6月に閉業した塩尻市唯一の銭湯「桑の湯」。笑顔の写真と再開を望む特別な写真展が始まっています。

青空にぐっと伸びる煙突がトレードマークだった桑の湯。1929年=昭和4年に創業した桑の湯は95年もの間、地域に愛されてきました。塩尻市唯一の銭湯として営業してきましたが、2か月前に閉業。4代目・桑澤弘幸さんが母、節代さんと切り盛りしてきましたが、施設の老朽化と親子の体力の限界を理由に悩み抜いた末の決断でした。

カメラマン駒田匡紀さん
「こんちには~どうもご無沙汰しております」

桑の湯を訪ねて来たのはカメラマンの駒田匡紀さん。

カメラマン駒田匡紀さん
「あれ、俺、案内に湯を張ることはかないませんけどって書いてだけど湯張ってんじゃん」

駒田さんは今年6月、ニュースで桑の湯の閉業を知りました。

駒田匡紀さん
「元々は最後に記念写真を撮りたいって話で」

駒田さんはすぐに桑の湯を訪れ、風呂そのものを大事にし客も同じように桑の湯を大事にしていることに心を突き動かされ、最終日までの3日間を撮影しました。

桑の湯 桑澤弘幸さん
「このちっちゃな炎がうち(桑の湯)の(1日の)始まりで」

カメラマン 駒田匡紀さん
「お湯ができてお客さんの笑顔ができて桑澤さんとかスタッフの方との会話が生まれて」

駒田さんは「つなぐ」ことをテーマに写真展をしたいと考えました。

永原光哉さん「すごいね」

小学生の頃から桑の湯に通っていたご近所さん、永原光哉さんは風呂場のそうじなどをして桑澤さんたちを手伝ってくれていました。よみがえる2か月前の桑の湯。駒田さんとスタッフが撮影していた写真、およそ110枚を展示しました。久しぶりにシャッターを開け、のれんを掛けます。

桑の湯 桑澤弘幸さん
「2か月ぶりです」

自然と笑顔になる桑澤さん。桑の湯への思いは利用していた人たちも同じです。

母 節代さん
「ありがとうね」
「久しぶり」

自分が写っている写真を見つけた小学3年生。お風呂教室に通って一人で入れるようになりました。

月に2~3回通っていたという男性は普段は撮影禁止だった風呂場を懐かしそうにパシャリ。

安曇野市から
「この雰囲気がとても好きでいいお風呂だったと思っています。特にまき炊きのお風呂だったから結構体が温まったんですよね」

桑の湯の自慢はまきでたくお湯でした。「いい湯だったよ」その褒め言葉がうれしくて桑澤さんはお湯をつくってきました。

桑の湯 桑澤弘幸さん
「これが今まで頑張ってくれた桑の湯のかまです」

かまのメンテナンスのために毎日火を入れていますが営業していた頃とは違います。

桑澤さんはこのかまが活躍する日を待ち望んでいます。一度は諦めた桑の湯の再開でしたが、地元の「しおじり街元気カンパニー」が後押しし、後継者探しを続けています。

桑の湯 桑澤弘幸さん
「この街の銭湯をこの先5年10年20年とやってくれる人を今、一生懸命選んでいます」

できるだけ早く後継者を決めたいと話す桑澤さん。特別写真展は31日、1日と9月8日に開く予定です。写真がつなぐ桑の湯の歴史。かまに火が灯る日を待っています。

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