×

越中八尾おわら風の盆 祭り継続へ新手 「推し」うちわや特別観覧プランも

2024年8月30日 20:20
越中八尾おわら風の盆 祭り継続へ新手 「推し」うちわや特別観覧プランも
富山市八尾町では9月1日からおわら風の盆が始まります。

台風の影響が心配されますが、祭りの運営委員会は現在のところは実施の方向、としています。

台風への対応と、今年、新たに行われる運営資金を集めるための取り組みを取材しました。

助田記者のリポートです。

哀調を帯びた音色と歌に合わせて、優美な踊りを披露するおわら風の盆。

台風の被害をうける時期「二百十日」の風封じと五穀豊穣を願って江戸時代に始まったとされています。

そしてまさに今台風が近づく中、おわら風の盆行事運営委員会の事務所には全国から問い合わせが殺到しています。

おわら風の盆行事運営委員会 橘賢美さん
「台風で風の盆が中止になるのかという問い合わせが多々入っている。電話対応だけでも大変なんですが、今のところ行事運営委員会としては実施の方向でおります」

祭りに向けて準備が進む中、台風に備え、ぼんぼりを一時撤去した町もありました。

例年同様、町を練り歩く「町流し」は雨が降ると原則中止となりますが各町ごとに判断し、晴れ間を見て再開したり屋根のある場所などで踊ったりする場合もあります。

開催中にJR高山線が運転を取りやめることになった場合には、行事運営委員会のバスで富山駅まで送迎を行うことにしています。

おわら風の盆行事運営会 橘賢美さん
「本当に強風で観光客の方が危ないというときには、市の公的施設のほうへ一時避難をしてもらうことにはしています」

一方、おわら風の盆では担い手不足や資金不足が課題となっていて、2024年は持続可能な祭りの開催を目指し、様々な新しい取り組みが行われます。

行事運営委員会が初めて製作・販売するのが、「推し活うちわ」です。

11ある町内それぞれの紋様がデザインされていて「推し」の町のうちわを手にできるほか、すべての町の紋が入った「箱推し」のうちわもあります。

うちわは1枚1000円。売上は祭りの運営にあてられます。

おわら風の盆行事運営委員会 橘賢美さん
「地元のおわらを地元のものがきっちり継続できる体制を早く作らないと、いつまででも補助金とか協賛金に頼ったような運営はいかがなものかなということで、少しでも自立できるいろんな策を試行的に今年はとくにやってみたところですね」

また、こんな取り組みも。

県観光振興室 森田優平さん
「こちらのお部屋でお食事やおわらをお楽しみいただきます。お食事のあとはこちらの窓から町中の様子をお楽しみいただけます」

有料の特別観覧プランです。

県は行事運営委員会などと連携し7月から観光客向けに4つの特別観覧プランを発売。

最も高額なのが東町のこちらの町屋を貸し切る、1日1組限定80万円のプランです。

富山駅からの送迎付きで、地元食材を使った料理を楽しめるほか町屋2階からゆったりとおわらを楽しむことができます。

県観光振興室 森田優平 さん
「お祭りファンの中には、お金を出してもお祭りを楽しみたい、好きなお祭りを支援したい方がいると聞く。さらにその方達の中には一生に一度の体験したい、より本物を求めたい人がいると聞いたので、今回、そういった方のニーズにも応えられるように検討を進めてきた」

こちらのプランは3日間のうち1日が購入されたということです。

そのほかのプランについては、台風の影響でキャンセルが多くなっているものの、当日購入も可能なため関係者は期待を寄せています。

県観光振興室 森田優平さん
「観光を通じた収益化を進めることが重要だと思っている。またそれに合わせて、そういったプランの購入を通じて地元の方たち、お祭りに参加される方、そして次世代を担う若い人たちに、このお祭りの価値を再認識いただくことで、もう一つの課題である担い手不足、次世代の育成につながっていくようにこれからも地域の方と連携をとっていければと思っています」

また、行事運営委員会でも有料観覧席を町内の神社の境内に試験的に設けることにしていて、県外からのツアーに組み込まれています。

これらの新しい取り組みがどれだけの効果をもたらすのか、県や行事運営委員会は祭りの終了後に検証し来年以降の取り組みを検討したいとしています。

うちわは、祭り当日に八尾曳山展示館前で購入することができます。
一緒に見られているニュース
北日本放送のニュース