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【山岳遭難】過去最多の125人「疲労で体が震えてる」緊迫の救助活動 県外登山者が9割超 約8割が70代以上の登山者“疲労遭難” 県警「自分の力に合った山選びを」

2024年9月3日 17:36
【山岳遭難】過去最多の125人「疲労で体が震えてる」緊迫の救助活動 県外登山者が9割超 約8割が70代以上の登山者“疲労遭難” 県警「自分の力に合った山選びを」

今年の夏山期間中に県内で遭難した人は過去最多となる125人に上ることが県警のまとめで分かりました。これから本格的な秋山シーズンに入り、遭難しないために自分のレベルにあった山選びが必要です。

隊員「救助隊です。左の肩以外どう?」
遭難者「結構痛いって」
隊員「了解了解」

8月12日中央アルプスの空木岳で起きた山岳遭難事故。54歳の男性が登山道からおよそ50メートル滑落しました。

一方、八ケ岳連峰の権現岳では。
隊員
「大丈夫?けがない?」
遭難者
「大丈夫です」
隊員「けがは大丈夫ね体調はどんな感じ?」
遭難「疲労で体が震えてる」

19歳の大学生が疲労を訴え動けなくなりました。いずれも県警のヘリコプターで救助され無事でした。

県警によりますと、今年7月から8月の夏山期間中に県内で発生した山岳遭難は116件と過去2番目の多さに。遭難した人は125人で過去最多となりました。このうち、県外から訪れた登山者による遭難は115人と9割を超えています。また、亡くなった人は15人と去年より5人増えました。

今年の夏山の特徴として転落と滑落が最も多く全体の29パーセント。次いで疲労が27件と続きました。

夏山シーズン中、県警の山岳遭難救助隊と共に遭難者の救助活動にあたるのが民間の組織である「夏山常駐パトロール隊」です。

「北アルプス南部地区」の隊長としてこの夏、現場で遭難救助に当たっていた加島博文隊長は遭難の“ある特徴”を感じていました。

北アルプス夏山常駐パトロール隊加島博文 隊長
「いわゆる体力不足ですよね。途中で動けなくなったりとか、いざ(山に)来てみると体力的にだいぶつらかったというのがほとんどだと思います。『まさかこんなにつらいとは思わなかった』とか」

加島さんが担当する南部地区では今年の夏山期間中に「34件」の遭難が発生しこのうちの8割ほどが70代以上の登山者による“疲労遭難”でした。

こうした実態に県警も…。

県警山岳遭難救助隊岸本俊朗 隊長
「加齢に伴う身体的な能力がだんだん落ちてきますので、標高の高い高山登山をすると体力不足・バランス感覚がなくなって転倒する滑落する。こういった年齢層の方の遭難の増加に結び付いているの かなと思います」

これから信州の山は紅葉が見頃を迎える秋山のシーズンに。県警は自分の実力に合った山選びをするよう呼び掛けています。

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