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【伝統の祭りと信仰の本質】去年終了した奥州市水沢の「黒石寺蘇民祭」 存続を願う有志が独自の「蘇民祭」実施 岩手

2025年2月5日 0:00
【伝統の祭りと信仰の本質】去年終了した奥州市水沢の「黒石寺蘇民祭」 存続を願う有志が独自の「蘇民祭」実施 岩手

 伝統の継続を模索する有志によって実施です。岩手県奥州市水沢で1000年以上続いたものの、去年その歴史に幕を降ろした奇祭、「黒石寺蘇民祭」に代わって5日、規模を縮小した独自の蘇民袋争奪戦などが行われました。

 奥州市水沢の黒石寺の境内に、下帯姿の男衆の勇壮なあの声が帰ってきました。去年、多くのひとに惜しまれつつ、その歴史に幕を降ろした「黒石寺蘇民祭」。5日に行われたのは、黒石寺蘇民祭保存協力会青年部主催の「蘇民祭」です。

 「黒石寺蘇民祭」は、旧暦1月8日の薬師如来縁日に合わせて、下帯姿の男たちが無病息災と五穀豊穣を祈願して夜通し行う祭りで、その歴史は1000年以上とされる国の選択無形民俗文化財・「岩手の蘇民祭」のひとつです。
しかし、祭りの中心を担う檀家が高齢化し、将来的な担い手もいないことを理由に去年、黒石寺の藤波大吾住職は「先祖代々伝わる信仰の本質を守りたい」として、蘇民祭の終了を表明しました。

 それから1年、旧暦の1月8日を迎えた5日。黒石寺では薬師如来への信仰の核となる正月祈とうを行い、境内は厳かな雰囲気に包まれました。

 この中、伝統ある蘇民祭の継承を模索してきた、保存協力会の青年部は、住職の許可を得て、規模と内容を限定した「青年部主催の蘇民祭」を開催しました。

黒石寺蘇民祭保存協力会 菊地敏明 青年部長
「(蘇民祭を)今後つないでいくために始めたこと。無事に…何が起こるかわからないけれど…まずやってみようと」

 今回は「岩手の蘇民祭保存会」の会員など15人が参加し、厄除けや五穀豊穣を願って冷水を浴びる「夏参り」と、縁起物とされる「蘇民袋の争奪戦」を実施。けが人もなく、無事に終了しました。

 伝統の祭りを続けたい。信仰の本質を守りたい。ふたつの立場それぞれの思いとは…

黒石寺蘇民祭保存協力会 菊地敏明 青年部長
「(住職と檀家に)全部を理解してもらえたかと言われるとわからないけれど、我々の姿を見せて、理解をしてもらえるようにしていきたい」

黒石寺 藤波大吾 住職
「(青年部の)蘇民信仰をこれからも繋いでいきたいという思いは私も受け取ったので、できる範囲でやってもらえたらと。あとはお互いが大事にしなければならないものを見つめて、これからも守っていくということかなと思う」

最終更新日:2025年2月5日 18:34
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