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【女子大学生】地元でハンターとして修業中 目指す姿は? 岩手・雫石町

2024年9月5日 18:47
【女子大学生】地元でハンターとして修業中 目指す姿は? 岩手・雫石町

特集は、大学生のかたわらハンターとして活動する雫石町の女性です。イノシシなどによる農作物への被害が深刻化する中、彼女はなぜハンターになったのか、そしてどんなハンターを目指しているのか取材しました。

德田陽与さん
「あの…わなの筒の部分を隠して、動物から分かんないようにする作業ですね…」

岩手大学農学部2年の德田陽与さん。野生動物の捕獲にあたるハンターとして修行を積んでいます。

この日、雫石町役場に勤める先輩ハンターと一緒に訪れたのは動物を捕らえるための『わな』。事前に町内に仕掛けた『わな』を見回って何かかかっていないかを確認しました。

徳田さん
「わなかけるのもそうだし、動物の痕跡見つけた時が一番楽しい」「ほんとに近くに動物を感じる瞬間が一番楽しいなって思います」

德田さんは、雫石町出身。幼いころから動物が身近にいたことが今の活動につながっています。

德田さん
「クマが出たら集団登下校当たり前だしみたいな」「怖いなって思っていたところもあったり、でも、かといって動物が嫌いなわけではなくてむしろ大好きだったから、調和保てるなら何ができるんだろうかっていう…」

自然の調和を保つ存在としてハンターになろうと考え、高校3年生の時、狩猟免許の1つ「わな猟」の試験に合格しました。

県内では野生動物による被害が大きな問題になっています。特に深刻なのが野菜を食い荒らされたりイネを踏み荒らされたりする農作物への被害です。シカやイノシシ、クマなどによる県内の農業被害額は2022年度はおよそ4億7千万円。ここ数年、増加傾向です。

射撃「バン!」

被害を防ぐために野生動物を捕獲するのがハンターです。県内で狩猟免許を持つ人の数は、1989年度にはおよそ5400人いたのが一時、半分以下まで落ち込みました。ここ数年、手軽に免許が取れる「わな猟」を中心に増えてきてはいますが、担い手の確保が課題になっています。

そんな中、德田さんは、「わな猟」の免許を地域のために生かそうと、大学入学直後の去年4月、町の鳥獣被害対策実施隊に入隊。当時18歳、町内ではこれまでで最年少でした。

德田さん
「継承していくのも大事だと思うし、狩猟も伝統みたいなものかなと思うので」「できるうちに教えてもらえるのは、大事なのかなと」

普段は大学生活の合間を縫って活動している德田さん。わなの見回りの後は動物の足をワイヤーでくくって捕獲する『くくりわな』の設置です。

わなはイノシシ用のもので動物がわなにかかった時に逃げられないよう特殊な器具にしっかりと取り付けます。作業は人のにおいが残らないよう注意しなければいけません。物に気付かれないようわなに土をかぶせて作業完了です。町内でも数少ない女性ハンター。仲間からも期待されています。

雫石町農林課・村上敦美さん
「同じ女子が入ってすごく嬉しいですし頼もしいなと思います」「ガッツがありますので、何でも教えてたこととかすぐ吸収してやってくれるところがすごくいい」

大好きな動物にいつまでも関わっていきたいと、農学部に進んだ德田さん。今は森林に関する知識を身に着けていて今後は野生動物などについても学びを深めます。

大学生ハンターは上手に捕獲することだけを目指しているわけではありません。

德田さん
「直接的に野生動物と人との間を調和できるような存在になりたいなっていうのはあって、ハンターだけじゃなくて、大学で学んだこととかそういう自分が広げていった視野の先で関わるものを生かしていけるようなハンターになりたい」

ハンターとして歩み始めたばかり。レベルアップにも励んでいます。

德田さん「猟銃の初心者講習を受けに来ました」

いま取り組んでいるのは銃を使って猟をするために必要な免許の取得です。
この日は、猟銃を所持するために必要な講習を見事クリア。来月、免許を取得するための試験に臨む予定です。

德田さん
「忙しい中でちょっとしか(勉強)できていなくて、万全って自信もって言えるような状況じゃなかったけど、ちゃんと乗り越えられたのでうれしいなって思います」「ちゃんと一歩目踏み出せたので今後はちゃんと計画的に夢に向かって頑張っていきたいです」

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