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大船渡山林火災【発生2週間影響続く】市長が石破首相に窮状訴える 今も65人が避難生活 依然飲み水使えない地域も 犠牲者遺族の思いは

2025年3月12日 18:40
大船渡山林火災【発生2週間影響続く】市長が石破首相に窮状訴える 今も65人が避難生活 依然飲み水使えない地域も 犠牲者遺族の思いは
岩手県大船渡市山林火災は、発生から12日で2週間です。
避難指示は解除されたものの、飲み水が使えない地域があるほか、家を失った人は避難生活を続けています。

大船渡市の三陸町綾里地区に設置された給水所では、住民がペットボトルや給水袋で飲み水をくんでいました。赤崎町合足地区と三陸町綾里地区の903戸では飲み水が使えない状態が続いています。

住民は
「きのうから断水状態。きのう避難所から帰ってきたばかりなんですよ。そんな生活です」

大規模な山林火災から12日で2週間。

記者
「避難の長期化に備え、綾里地区に新たな避難所が設置されました」

市は12日、避難所を2か所に集約しました。避難生活の長期化に備えるためです。家を失った人など65人がいまも避難生活を強いられています。

大船渡の渕上市長は12日午後、石破総理を訪問し、住民の窮状を訴えました。

大船渡市 渕上清市長
「東日本大震災の再建途上にある 人もいます。そういった意味で も被災地を取り巻く環境は非常 に厳しい」

石破茂 首相
「できるだけ早く、できるだけ簡 易に激甚災害の指定をするよう、政府として最大限対応する」

大船渡市の山林では、鎮火に向けて12日も消防や自衛隊のヘリが上空から消火活動を続けています。

一方、2月25日に陸前高田市で発生した林野火災は11日、鎮火宣言が出されました。

今回の山林火災で唯一の犠牲者、柴田吉郎さん90歳の娘の家に12日、親せきが集まり遺影に手を合わせました。


遺族※10日
「火の勢いってすごいね」「火に巻き込まれたと思うんだ つらかったべなあ」

火災発生の翌日、自宅近くで遺体で発見された柴田さん。死因は焼死で、避難の途中、逃げ遅れたとみられています。

息子の修幸さんが見せてくれたのは、柴田さんが最期に持っていた愛用のポーチです。

息子の修幸さん
「妹が父の日にあげたポーチ。中がこういう風になっていても写真入っていたのが全然焦げも しないで残っていた。それであの写真(遺影)あるでしょ」

家にあった写真はすべて焼けてしまいましたが、奇跡的に残った写真が遺影となりました。

「父さんの思いかなと。前向いて いかなければいけない」「こうやってじいじに会えたから前を向けた」

火災の影響が長引く大船渡市。元の生活を取り戻す試みはまだ始まったばかりです。
最終更新日:2025年3月12日 18:40
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