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【なぜ】台風5号で久慈市に岩手県内で初の「緊急安全確保」発令 しかし避難しなかった人も 背景と課題は?

2024年8月13日 17:20
【なぜ】台風5号で久慈市に岩手県内で初の「緊急安全確保」発令 しかし避難しなかった人も 背景と課題は?

 台風5号で、久慈市では12日、岩手県内で初めて「緊急安全確保」が発令されました。非常に危険な状況だと知らせる避難情報ですが、避難しなかった人も多くいました。現地を取材しました。

 三浦裕紀記者
「こちらはきのう氾濫危険水位を越えた久慈市の長内川です。その近くにあるのが、緊急安全確保が発令された長内地区です」

 長内川の上流にある滝ダムは貯水できる量が限界に近づいたため、12日午前10時23分に緊急放流を始めました。ダムの放流で長内川は氾濫危険水位を超えることが確実になり、川の近くにある長内町と小久慈町には午前10時半に緊急安全確保が発令されました。

 久慈市防災危機管理課 工藤健二課長
「市内にある防災行政無線で小久慈地区、長内地区に限定放送で流した。メールマガジンであるとか消防団に周知してもらった」

 緊急安全確保の対象となったのはおよそ8300人。この地区には4つの避難所が開設されていましたが、発令後に避難した人はおよそ80人で、12日の午後1時現在、事前に避難した人とあわせても128人にとどまりました。長内町にいた人は…

 長内町に住む人
「おそらく限界を過ぎてもここなら大丈夫と思って寝た」

 長内町の実家に帰省していた人
「こういうふうに大々的に放送されることないからすごいと思った」「どこに避難所あるかも分からないし、急に言われても」

 久慈市防災危機管理課 工藤健二課長
「自宅の2階にいれば安全と考える人もいれば、そういった人もあったかと思うし、自身のみつけた安全なところに避難していた人もいると思うので、数以上には避難してもらった」

 久慈市では、川があふれた場合に備え、ボートを用意していました。今後は、さまざまな方法で避難所の情報などの周知を図り、避難を呼びかける考えです。

 久慈市防災危機管理課 工藤健二課長
「避難場所を確認する機会を年に1回はつくりたい。避難する場所も分かる」「避難の大切さ、こういうこともあるという共通認識を増やしていきたい」

 警戒レベルが最大の5にあたる「緊急安全確保」の意味を周知し、いかに住民の避難に結び付けるか、今後の課題といえます。

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