【海街リポート】つむぐイルミネーション 追悼の明かり絶やさず
東日本大震災の被災地のいまを伝える海街リポートです。
陸前高田市では、毎年3月11日に、遺族などが追悼の明かりを灯しています。存続の危機を乗り越え、取り組む女性を取材しました。
渡辺裕太さん
「文字が書いてあります。つなぐという文字、絆というのが書かれています。これは地元の中学生が作ったものなんですね」
江口「そうなんです」
毎年3月11日に陸前高田の夜を照らす、追悼の灯り「つむぐイルミネーション」です。明かりを入れるガラスの瓶には、地元の小中学生などが、思い思いに絵を描きます。
中心になって活動する一人覚張あゆみさん(39)。存続の危機にあった追悼の明かりを絶やさないために、東京から古里の陸前高田に帰って来ました。
覚張あゆみさん
「同級生の仲間が、ごめんね泣きそうになっちゃうんだけど、亡くなっちゃったんですよ震災で」
児童「え…」
笑顔がすてきなあゆみさん。この街で生まれ育った、3人の子を持つお母さんです。
覚張あゆみさん
「この辺りがメイン会場になります」
震災の津波で大きな被害を受けた市の中心部。その場所に作られた川原川公園です。
覚張あゆみさん
「そこにいつもつむぐっていう文字をLEDで作らせていただいて」
震災が起きた時、あゆみさんは結婚して東京に住んでいて、半年後に次女の出産を控えていました。
覚張あゆみさん
「母と祖母は無事だったけど、弟といまの時点で連絡がとれていないので、多分だめだと思えと」
震災の2年前、あゆみさんの長女を抱っこして微笑む、5つ下の弟、智之さん(当時18)です。智之さんは、震災当時、消防団と一緒に市民を避難させていて、20歳の若さで津波の犠牲になりました。
覚張あゆみさん
「被災地出身だけれども(東京にいて)その時に何もできなかったっていう思いがすごく、強くて悩んだりとかしてたんですけど、その時の、この活動してた同級生に『お前も被災者なんだぞって、だから気にすんな』って言ってくれた人がいて、救われたっていうのもありますし」
(菊池畳店)
「おはようございます」
イルミネーションは、市内にある畳店の店主に、工場の一室を借りて準備しています。
覚張あゆみさん
「自分たち全員のお父さんみたいな人」「同級生の勇輝くんが亡くなってしまって、そのお父さんとしてずっとつむぐに参加してもらっています」
菊池畳店店主の菊池純一さんです。跡取りで消防団員だった長男の勇輝さんは、地震の後、すぐに市民の命を守ろうと家を出て行きました。
実は、勇輝さんの名前の輝くという文字がきっかけでイルミネーションを始めました。
震災の3年後、あゆみさんと菊池さん、勇輝さんの同級生たちが、津波でほとんどが失われた陸前高田の街に、ひとつずつ並べた明かり。震災後まっくらだったふるさとの夜がはじめて輝きました。
あゆみさんや菊池さんにとっては、もう会えない大切な人を想う時間になりました。あゆみさんは東京から毎年通い、灯りは地域のにぎわいや絆にもなりましたが、次第にともすメンバーが育児や仕事に追われ、人手不足になりました。
菊池純一さん
「一時ね大変でやめようかなという話も受けたんですけど、やめるのは簡単だから続けてみようぜっていう。続けることによって忘れないでいてくれる」
覚張あゆみさん
「いろんな人の思いがあるイベントなので続けていきたいと思います」
震災が起きた時、何もできなかったと自分を責めたあゆみさんは、イルミネーションを途絶えさせないために力を尽くそうと、家族を連れて陸前高田に帰って来ました。
その頑張りに、仲間も、また集まってきました。
(30日米崎小学校)
あゆみさんは、毎年、市内の小、中学校などで、イルミネーションのLEDライトをいれるガラス瓶に絵や文字をかく特別授業をしています。
この日授業を受けたのは、14年前の震災の後に生まれた小学6年生です。あゆみさんは絵をかくことで、命の大切さやふるさとの良さに気付いてほしいと思っています。
覚張あゆみさん
「同級生の仲間が、ごめんね泣きそうになってるんだけど、なくなっちゃったんですよ震災で(児童 え・・・・)本当に、それをつないでいきたいっていうのもあるんだけど。今のこの高田がすごく自分たちの思い出になってほしいから、思い出をつくる作業をいっぱいしてほしいと思っています。ぜひ積極的に、自分たちが自分たちの街を作ってってほしいと思います」
米崎小6年 及川 遥花さん
「今は話とかしか知らないですけど、多分想像できないぐらいこわかったし、こういうキャンドルの活動で、忘れない、ただの歴史だけにしないという思いはちょっと感じました」
米崎小6年 境井 花夢さん
「津波とかで被害を受けた人が協力する絵です。」「これを踏まえて知ってほしい」
米崎小6年 新沼 瑠月さん
「一陽来復です。(見た人に)幸せになってほしい」
震災から14年を迎える3月11日。あの日の記憶をつむぐみんなの灯りが陸前高田の夜を照らします。
つむぐイルミネーションは、8日、9日と11日に行われ、山林火災の義援金も集めるということです。
また、この写真が6日、あゆみさんから届きました。米崎小学校の児童が、消防のみなさんに感謝を伝えたいと横断幕を作ったそうです。
みんなの思いが届くといいですね。大船渡に思いを寄せながら、3月11日を迎えます。
陸前高田市では、毎年3月11日に、遺族などが追悼の明かりを灯しています。存続の危機を乗り越え、取り組む女性を取材しました。
渡辺裕太さん
「文字が書いてあります。つなぐという文字、絆というのが書かれています。これは地元の中学生が作ったものなんですね」
江口「そうなんです」
毎年3月11日に陸前高田の夜を照らす、追悼の灯り「つむぐイルミネーション」です。明かりを入れるガラスの瓶には、地元の小中学生などが、思い思いに絵を描きます。
中心になって活動する一人覚張あゆみさん(39)。存続の危機にあった追悼の明かりを絶やさないために、東京から古里の陸前高田に帰って来ました。
覚張あゆみさん
「同級生の仲間が、ごめんね泣きそうになっちゃうんだけど、亡くなっちゃったんですよ震災で」
児童「え…」
笑顔がすてきなあゆみさん。この街で生まれ育った、3人の子を持つお母さんです。
覚張あゆみさん
「この辺りがメイン会場になります」
震災の津波で大きな被害を受けた市の中心部。その場所に作られた川原川公園です。
覚張あゆみさん
「そこにいつもつむぐっていう文字をLEDで作らせていただいて」
震災が起きた時、あゆみさんは結婚して東京に住んでいて、半年後に次女の出産を控えていました。
覚張あゆみさん
「母と祖母は無事だったけど、弟といまの時点で連絡がとれていないので、多分だめだと思えと」
震災の2年前、あゆみさんの長女を抱っこして微笑む、5つ下の弟、智之さん(当時18)です。智之さんは、震災当時、消防団と一緒に市民を避難させていて、20歳の若さで津波の犠牲になりました。
覚張あゆみさん
「被災地出身だけれども(東京にいて)その時に何もできなかったっていう思いがすごく、強くて悩んだりとかしてたんですけど、その時の、この活動してた同級生に『お前も被災者なんだぞって、だから気にすんな』って言ってくれた人がいて、救われたっていうのもありますし」
(菊池畳店)
「おはようございます」
イルミネーションは、市内にある畳店の店主に、工場の一室を借りて準備しています。
覚張あゆみさん
「自分たち全員のお父さんみたいな人」「同級生の勇輝くんが亡くなってしまって、そのお父さんとしてずっとつむぐに参加してもらっています」
菊池畳店店主の菊池純一さんです。跡取りで消防団員だった長男の勇輝さんは、地震の後、すぐに市民の命を守ろうと家を出て行きました。
実は、勇輝さんの名前の輝くという文字がきっかけでイルミネーションを始めました。
震災の3年後、あゆみさんと菊池さん、勇輝さんの同級生たちが、津波でほとんどが失われた陸前高田の街に、ひとつずつ並べた明かり。震災後まっくらだったふるさとの夜がはじめて輝きました。
あゆみさんや菊池さんにとっては、もう会えない大切な人を想う時間になりました。あゆみさんは東京から毎年通い、灯りは地域のにぎわいや絆にもなりましたが、次第にともすメンバーが育児や仕事に追われ、人手不足になりました。
菊池純一さん
「一時ね大変でやめようかなという話も受けたんですけど、やめるのは簡単だから続けてみようぜっていう。続けることによって忘れないでいてくれる」
覚張あゆみさん
「いろんな人の思いがあるイベントなので続けていきたいと思います」
震災が起きた時、何もできなかったと自分を責めたあゆみさんは、イルミネーションを途絶えさせないために力を尽くそうと、家族を連れて陸前高田に帰って来ました。
その頑張りに、仲間も、また集まってきました。
(30日米崎小学校)
あゆみさんは、毎年、市内の小、中学校などで、イルミネーションのLEDライトをいれるガラス瓶に絵や文字をかく特別授業をしています。
この日授業を受けたのは、14年前の震災の後に生まれた小学6年生です。あゆみさんは絵をかくことで、命の大切さやふるさとの良さに気付いてほしいと思っています。
覚張あゆみさん
「同級生の仲間が、ごめんね泣きそうになってるんだけど、なくなっちゃったんですよ震災で(児童 え・・・・)本当に、それをつないでいきたいっていうのもあるんだけど。今のこの高田がすごく自分たちの思い出になってほしいから、思い出をつくる作業をいっぱいしてほしいと思っています。ぜひ積極的に、自分たちが自分たちの街を作ってってほしいと思います」
米崎小6年 及川 遥花さん
「今は話とかしか知らないですけど、多分想像できないぐらいこわかったし、こういうキャンドルの活動で、忘れない、ただの歴史だけにしないという思いはちょっと感じました」
米崎小6年 境井 花夢さん
「津波とかで被害を受けた人が協力する絵です。」「これを踏まえて知ってほしい」
米崎小6年 新沼 瑠月さん
「一陽来復です。(見た人に)幸せになってほしい」
震災から14年を迎える3月11日。あの日の記憶をつむぐみんなの灯りが陸前高田の夜を照らします。
つむぐイルミネーションは、8日、9日と11日に行われ、山林火災の義援金も集めるということです。
また、この写真が6日、あゆみさんから届きました。米崎小学校の児童が、消防のみなさんに感謝を伝えたいと横断幕を作ったそうです。
みんなの思いが届くといいですね。大船渡に思いを寄せながら、3月11日を迎えます。
最終更新日:2025年3月7日 18:54