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72歳のキックボクサーの女性が初めての試合に挑む 相手は孫世代も攻めの姿勢崩さず

2024年12月9日 17:48
72歳のキックボクサーの女性が初めての試合に挑む 相手は孫世代も攻めの姿勢崩さず

鶴岡市在住の小林菊英さん。キックボクシング愛好者の72歳です。その菊英さんが8日、人生初めて試合に挑みました。相手は孫世代の現役女子高生。緊張の1日に密着しました。

鶴岡市に住む小林菊英さん(72)。3年前、69歳でダイエットのためにキックボクシングを始めました。

小林菊英さん(72)「前は車に乗って帰るのも足がつりそうだったけど、今は全然。やらせとけって感じだったかもしれないけど、負けず嫌いなところがあるから」

今では、ストレート、アッパーやキックなどを繰り出し、胸より上を蹴るハイキックが得意技です。

小林菊英さん「前は蹴るのが精一杯だったけど今はきれいに見せたいとか欲が出てきた」

キックボクシングを続けるうちに強くなる「試合に出てみたい」という思い。

小林菊英さん「ジムの会長とは結構X(旧Twitter)のDM(ダイレクトメッセージ)で話すことがあって、本当は私だって試合に出たいんですよって年齢的に無理なのはわかるけど出たいんですって言ったら試合しましょうって返事が来た」

願いが叶い、初めて試合をすることに。

小林菊英さん「緊張はするけど一発でもボディとか、キックを当ててみたいとか、願望があります」

迎えた試合当日。

「おはようございます」

8日、東根市内の会場を訪れた菊英さんは、少し緊張していました。

小林菊英さん「きのう寝られなかった。勝ち負け関係ないんだけど向かって行けるのかなとか思ってドキドキです。ちょっと後悔してる」

対戦相手の冨樫愛結菜さんは、山形城北高校に通う16歳の高校1年生。全国タイトル3冠を持つプロのキックボクサーです。

冨樫愛結菜さん「小林選手は、すごい前に来るタイプのプレーかなと思うので、その圧に負けないように頑張りたいと思う」

大会には、県内外から42人の選手が参加しました。菊英さんの試合は、5番目です。アップやスタンバイにも緊張が走ります。
ついに本番ー。

試合は、エキシビジョンマッチ。1分1ラウンドで2ラウンド制です。
菊英さんは序盤から攻めの姿勢を見せます。さらに観客からの歓声を受け力が入ります。
攻めの姿勢を崩さずに第1ラウンドが終わります。
愛結菜さんも攻めの姿勢を見せますが、菊英さんは腰を引かずに向かっていきます。

「ばあちゃん パンチ!」「ナイス!頑張れ!」「ゴング」

試合終了、勝ち負けがないエキシビジョンマッチ。菊英さんは初めての試合で、終始攻めの姿勢を見せました。

小林菊英さん「気持ちよかった。攻めたような感じがする!」

控室 「お疲れ様でした。すごかったです」「どげんだっけ?」「素晴らしかったですよ」「めっちゃ蹴られた」

「すごい頑張ってるなと思って感動した」

「普通の人だったら縮こまってしまうところでパンチ出たので、あんな風になりたい」

トレーナー逸見コーチ「かっこいいの一言。普段練習も頑張ってるので練習の成果を出せてるのが十分見れた」

対戦相手の愛結菜さんは?

冨樫愛結菜さん「すごい楽しかった。最初からどんどん前に出てて最後まで前にいたので圧倒された」

小林菊英さん「試合やってみたらすごい楽しかった。練習してくれた人たちに恩返しできる。これからは試合に出る練習を続けていきたい。キックボクシングがもっと楽しくなった気がする」

人生初の試合を有終の美で飾った72歳のキックボクサー。挑戦はまだ続きます。

最終更新日:2024年12月9日 19:26
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