山形県産米の概算金 主要3品種で60キロ当たり3000~4000円増額 小売も値上がり見込み
JA全農山形は9日、新米を集荷する時に農家に前払いするコメの概算金を決定しました。県産米の主要3品種で60キロ当たりおよそ3000円から4000円の大幅な増額となっていて、小売でもコメの値上がりが予想されています。
コメの「概算金」は、事前に予想した取引価格をもとにJA全農山形から県内の各JAを通して生産者に前払いするもので2024年産の主食用米が決まりました。一等米60キロ当たりの概算金は去年と比べ、「つや姫」が3100円増の推計1万9500円前後。「雪若丸」が4300円増の推計1万7100円前後。「はえぬき」が4300円増の推計1万6500円前後となっています。
要因についてJA全農山形の担当者は「肥料や農薬といった資材高騰を踏まえ、生産者の収入確保などを考慮した結果」などと話しています。
それに加えて、全国的なコメの品薄感やインバウンドの影響で外国人によるコメの需要が高まっていることなども要因として挙げられます。
街の声「今お米がない。これから新米ができる。今まで買っていた値段より高くなるのでは新米が出てきてもすぐ売り切れるだろう。困りますね」
概算金の大幅な増額でこれから小売でもコメの値上がりが予想されています。
街の声「しょうがないけど安くしてほしい食べないわけにはいかない子どものためとか」
「値上がりは一番困る買わないわけにはいかないから買う」
これは、2024年産と過去5年間の県産米の概算金の推移です。コロナ禍にともなう外食需要の減少で2021年までは下落傾向にありましたが、その後需要の回復で上昇傾向にありました。グラフを見るとことしの概算金は過去5年間の中でも大幅な増額となったことが分かります。
コメどころ庄内地方の生産者は概算金の増額が米価の下落や資材の高騰などにまだ追い付いていないと現状を話します。
菅原和行さん「今やっと上がっても昔の値段まで回復していない。ことしの値上がりは農家にとって一時しのぎであってもプラスにはなるのかな。また来年経費があがっている分コメの値段が上がるのか不安がある」
稲刈りが本格化する県内。JA全農山形は生産者に対し適切な時期に刈り取りをし品質の確保に努めてほしいとしています。