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「林野火災の原因は人的要因が圧倒的」 「山林火災をどう防ぐ」と題し東京理科大教授が米沢市で講演

2024年7月19日 16:43
「林野火災の原因は人的要因が圧倒的」 「山林火災をどう防ぐ」と題し東京理科大教授が米沢市で講演

置賜県勢懇話会の例会が17日、米沢市で開かれ、東京理科大学の桑名一徳教授が「山林火災をどう防ぐ」と題し、講演しました。桑名教授は山林火災の原因の多くは人的要因によるものと指摘し、対策を呼びかけました。

講師を務めた桑名一徳教授は、東京理科大学で火災が起こるメカニズムなどを研究しています。
県内ではことし5月、南陽市宮内の秋葉山で137ヘクタールを焼く過去最大規模の山林火災が発生したほか、4月には高畠町でも大規模な山林火災が起こるなど山林火災が相次いで発生しました。
桑名教授は山林火災の特徴として、地中にあるくすぶった火種が風などに煽られた結果、再び燃え上がることがあると指摘します。
今回の南陽市の場合も火の勢いが収まって以降、6日間にわたってくすぶった状態が続き、連日、地上での地道な消火活動に追われました。

桑名一徳教授「山火事で問題になるのが小さな火種が突然炎を上げて燃え始めることがある。地中を掘ってみるとまだまだくすぶっていることも。広大な山から小さなくすぶりを見つけることが難しい」

桑名教授はまた、国内での山林火災の原因の多くは「人的要因」によるものと指摘。火を扱う際の完全な消火や風が強い時は火を使わないなど出火を防ぐ対策を取ることが最も重要だとしました。

東京理科大学桑名一徳教授「日本の林野火災の原因としてはたき火や火入れ、野焼き、放火を含めて人的要因が圧倒的に多い。日本においては出火防止が重要」

その上で、山林火災は山の複雑な地形から燃え方を予想することが難しいため、自治体同士や自衛隊との連携をあらかじめ強化・訓練しておくことが被害拡大防止やスムーズな避難誘導につながると語りました。

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